家のアルバム
- 日常の帰路体験における建築と都市の関係性 -

氏名
寺島 瑞季
所属
東京都市大学大学院
総合理工学研究科 建築・都市専攻
研究室
福島加津也研究室
作品概要

これは、家という建築での体験を、個人的な記憶から制作したものである。家というものは、みんなの想いもそこでの環境も色々な記憶も詰め込まれている。硬く四角く綺麗に象られているが、本当はこの中には誰しも秘める素敵な体験がある。その記憶を一つのアルバムにまとめるように、一つの建築として現れる。設計対象は私の家。自分の家までの帰路と、家の中に入ってからの体験を、自分の記憶をもとに抽象化させたものである。制作方法は、まず帰路と家の体験をその時の五感まで含めて日記小説として残す。帰路は全部で3ルートあり、その3つ分の日記と、日記から作ったスケッチを元に計40シーンの記憶を取り出し空間化している。これを可視化することで現実世界では起こりえないバグが生じる。例えば、玄関が3つあったり兄の部屋が二つあるなど、3つの時空間で交わる動線空間も含めて設計した。断片的な記憶を接合することによって起こるバグは、現実の家や街をそのまま作るより、遥かに実際の体験に近くなっている。「建築物」は一つだが「建築の体験」は個人的なものであり、その体験によって実際の家とこんなにも違う姿になりえる。建築は全て記憶から始まっており、最後にはみんなの記録となる。私にとっての家とはなんなのか、私の家のイメージを深く考えるための作品であり、建築プログラムのいち提案を示すチャレンジになっている。

作品イメージ

作品ファイル

Profile

  • 略歴
    1997年
    北海道生まれ
    2010年
    国立音楽大学付属小学校 卒業
    2020年
    東京都市大学 卒業

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