アナザーパスを有する建築
神奈川県足柄下郡真鶴町を対象として

氏名
三浦 悠介
所属
神奈川大学大学院
工学研究科 建築学専攻
研究室
山家研究室
作品概要

本計画は、常時通れるわけではないが、特定の出来事により出現し街を地続きにする空間を「アナザーパス」と呼び、それらを有する建築の提案をすることで、有した場合の空間可能性や地域構造の在り方を追求したものである。
アナザーパスは、時間や場所による制約ゆえの魅力があり、既存動線や地域資源に付随しそれらの価値を変えつつ、新しい地域構造や場所性を作り出す。例えば、千畳敷のように干潮により出現し、街と洞窟を繋ぐ動線になり得ることで、千畳敷も洞窟も街の観光資源となる場合や、書店やカフェなど店の開閉に伴い店内空間がアナザーパスになるという建築が有する場合もある。
本計画では、アナザーパスを無作為に収集し導いた仮説から調査や設計の手がかりを得た。そして、真鶴町にて起きている出来事や動線空間、地域資源などを調査し、2つのエリアを計画対象として選出した。
真鶴駅前通りエリアでは、人の営みによって出現するアナザーパスを有した3つの建築が核となり、近隣に些細な変化と共に新たな場所性を持つ計画とした。旧真鶴銀座エリアでは、他生物や植栽によって出現するアナザーパスを有した建築群が周囲の街路空間と一体になり新たなシークエンスや体験を作る計画とした。
建築がアナザーパスを有することは、建築と地域のどちらの在り方にも影響し、両者の新たな関係性を築きつつ、生活の中に些細な豊かさを認識できる場づくりへ繋がると考える。

作品イメージ

作品ファイル

Profile

  • 略歴
    1997年
    大阪府堺市生まれ
    2020年
    神奈川大学 工学部 建築学科 卒業
    2022年
    神奈川大学大学院 工学研究科 建築学専攻 山家研究室 修了

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