コラム

2020.05.03

Vol.08「住まいの居場所づくり再考」 

住まいの居場所づくり再考

 会社や学校、食事や買い物など、これまで外にいる時間が長かったのが、新型コロナウィルスの問題で、急に家族全員が篭ることになり、多くの問題が見えてきました。私は改めて「住まいの居場所づくり」が大事だなと感じています。個室でなく「居場所」です。  

 子供達には個室でなく、なるべく家族がいるリビングにいてほしいと願う親は多いはずです。ただ親子でも夫婦でも、ずっと一緒にいると息が詰まります。私達は、互いに干渉しすぎない、ほどよい距離感を保ちながらも気配が感じられ、繋がりや安心感を得られるオープンな空間構成を念頭に設計をしています。その上で、階段周りに小さな書斎や、読書コーナーを設けたり、吹抜けにロープを垂らしたり、子供室にブランコをつけたりと、ちょっとした楽しいアイデアを盛り込みながら「居場所づくり」を計画しています。

 これを機に、住まい手自身によるオリジナルの居場所づくりに挑戦してみてはいかがでしょうか。

記: 湯浅 剛

トップライトからの光で明るい階段脇の読書ベンチ/吹抜けの昇降用ロープ(写真:大槻茂)

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