コラム

2020.07.29

Vol.49 依存から自立へ「建築DIY編」

 コロナ禍のステイホームで、ドイツではDIYに取り組む人が急増し、作業中の怪我が増えて病院にも影響が出たという話を聞きました。そこまでいくと問題ですが、日本でも、プロに依頼するだけでなく、住まい手がもう少し住まいづくりに参加しても良いのではないかと個人的には感じています。

 私の事務所では、設計監理以外に、住まい手から希望があれば、床のワックス塗装や、珪藻土やしっくいなどの左官工事を、ハケやコテ、工具等を持参して、指導したり、一緒に作業に取り組むことがあります。コストダウンはもとより、住まい手家族の「住まい」に対する思い入れが強くなること、住み始めてからのちょっとした不具合を自分たちで補修できることなどのメリットもあります。もちろんプロのような仕上がりは無理ですが、それ以上に得るものは多いのです。 家づくりへの参加は、プラスはあってもマイナスはありません。依存から自立への第一歩、これからの時代の大きなテーマだと思います。 

記:湯浅 剛


多くの人たちが参加してくれた「珪藻土左官ワークショップ」の風景

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コロナウイルスで暮らしと住まいは変わる!?
世界中を襲った新型コロナウイルスという大災害の中でのすごし方、そしてその後の暮らしや住まい、環境に対する意識や価値観は変わるのでしょうか。 住宅部会の 建築家達がリレー形式で、それぞれの視点で語ります。

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