コラム

2020.06.23

Vol. 33「熱中症対策と通風 」

夏のマスクは考えてしまいます。熱中症の心配があるからです。在宅時でも窓を開けずに冷房をつけるか、開け放してが良いのか迷います。しかしエアコンは換気設備ではないので、コロナ対策としては窓を開けて換気をするべきでしょう。

日本の住宅の32%はほぼ無断熱状態(*1)です。1980年省エネ基準を加えると68%が断熱性能が低い住宅です。このような住宅では太陽の日射や外気により建物が暖められ、その結果、外壁面や天井面より熱を受けてしまい、室内でも熱中症の危険性が高くなります。そして、クーラーの風を直接身体に当てて冷やすのも不快です。

対策としては、直接建物に日射を当てない様に西面に大きくなる木を植えるとか、窓からの日射の影響が大きいのでよしずの立て掛けや窓のスダレが有効です。窓の外のスダレは室内に入る熱の多くをカットすることができます。最近では、後付け出来る外付けロールカーテンや外付けブラインドもあります。窓を開けて日射を遮りながらの通風は湿度の高い日には特に有効です。

(注釈)

*1: 統計データ、事業者アンケート等により推計(2017年) ※国土交通省作成無断熱等:32%、1980年基準:36%、1992年基準:22%、2017年基準:10%

外付けスクリーン日射遮蔽
屋根の大きな軒の出と外付けブライン日射遮蔽

記:寺山 実


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