コラム

2020.06.20

Vol.31「接触感染予防」 

COVID-19感染症対策は、社会距離を考える「飛沫感染予防」と「接触感染予防」と言われている。実際、ドアノブなどを介して他の人に感染する可能性がある。

「接触感染予防」を考える上で、素材別での最大残存時間は、銅、ダンボール、ステンレス、プラスチックと大きな差があるが、この中で一番短い銅でさえ約4時間、どの材料も長く残存していることに変わりはない。触ることによる感染の危険は存在する。

建築の仕事をしている人間に共通した癖がある。
材料に、触ったり、指で叩いたりして確認することだ。
素材の特徴を自分の肌で感じているのだと思う。
身体に触れる部分の、素材感、質感、仕上げ方は、材料を選ぶ時に特に意識する。

材料選びが、抗菌仕様、除菌のしやすさ、除菌剤に対する耐候性等が優先になるのだろうか。このコロナ禍で、変えたいこと、変えたくないこと、変えなくてはいけないことがあるが、材料の本来持っている素材感、質感を大事にする視点は常に持っていたい。

記:大塚 雄二

新型コロナウィルス最大残存時間参考資料
:Figure 1. Viability of SARS-CoV-1 and SARS-CoV-2 in Aerosols and on Various Surfaces.

写真:碌山美術館 入り口 Knocker
写真撮影:大塚雄二


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