コラム

2020.06.17

Vol.30 時代を生きる 建築家の役割

19 世紀の産業革命後、イギリスは都市部の人口密集化が進み、不衛生な環境下において結核患者が急増した歴史がありました。


20 世紀初頭のモダニズム建築。ル・コルビュジエは太陽と空間と緑、屋外の空気、スケッチに掲げた太陽と手の平・・・スタイリッシュな造形に隠されている かのようですが、病気の対策にも真剣に取り組まれ衛生的な建築を創作されます。

モダニズムの建築家たちのプロフェッションの根幹にある公益性と自由、独立の精神。ピロティもステンレスと革の椅子のデザインも足元の風通しの良さを感じます。アアルトの白い清潔感に溢れたパイミオのサナトリウム。時代を読 み取る自然との融合は、閉鎖的な気密住宅に対する猛省を促しているようにも思えます。建築と自然の有機的な関係はフランクロイドライトの思想に多くを学びます。


住まいと自然の関わりを住まい手とともに自由に提案できる建築家の姿勢は永遠に求められています。
                        記:かたくら たかゆき


新型コロナウイルスで暮らしと住まいは変わる!?
世界中を襲った新型コロナウイルスという大災害の中でのすごし方、そしてその後の暮らしや住まい、環境に対する意識や価値観は変わるのでしょうか。 住宅部会の 建築家達がリレー形式で、それぞれの視点で語ります。

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