コラム

2020.06.15

Vol. 29「名前の無い部屋」

「名前の無い部屋」

 住いを造る時、機能的に部屋を振り分けて作った方も多いかと思います。居間、子供部屋、寝室、クローゼット・・・・。無駄な場所を作らなくきっちりと作り込む事に気持ち良さを覚えている人も多いかもしれません。それはそれで素晴らしい事で、機能別の部屋が全てそろえられるなら問題は無いのですが、限られた面積の中では、工夫が必要です。

 家は30年、40年、いやいや100年と長く住み続けたい物です。30年後の生活がきっちりと納まるとは限りません。社会や家族構成の変化、ライフスタイルや価値観の変化、ITなど生活周辺機器の発達など、いろんな変化要因が有ります。そして、今回の新型コロナウィルスの感染対策のような事も・・・。建てる時には無かった在宅勤務や学校の休業で家の中での居場所が変わったという人も多いかと思います。

 こんな時、機能を特定しない「名前の無い部屋や部分」が有ると、いろんな事がスムーズに進んだりします。長く住み続ける家となる為には、家のフレキシビリティ(柔軟性)が必要となってきます。

記:大川 直治


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