相談内容

お隣の音を何とかできない?

15年の鉄筋コンクリート造8階建ての2階に新築時より住んでいます。
3階の直上住戸に、最近若夫婦と、6歳、3歳の男の子2人の子供の家族が引っ越してきました。引っ越しの日から上階の音がうるさくて気が休まりません。苦情を言ったところ、リビングフローリングの床にカーペットなどを敷いてもらったようですが相変わらずです。こちらは定年退職後、ほぼ毎日家にいます。相手に出て行ってもらいたいぐらいですが、どうしたら良いでしょうか。

 


 

建物の中にいると人の声、荷物の搬出入の音、室外機や設備機器の音、そして外からの交通騒音など様々な音に悩まされることがあります。
音の評価には、室内静ひつ性能、空気遮断性能、そして床衝撃音遮断性能があります。床衝撃音はスプーンなど軽くて硬いものを落としたときに発する軽量衝撃音と、人が飛び跳ねたり走ったりするときに聞こえる重量衝撃音に分かれます。
「建築物の遮音性能基準と設計指針第二版」日本建築学会編では床衝撃音遮断性能は、特級、1級、2級、3級があり評価量をL値で表しています。
共同住宅の上階からの騒音は重量衝撃音で問題のなることが多いと思われます。
重量衝撃音1級はLH-50で殆ど気にならない、2級ではLH-55となり少し気になることがある、と評価されていますので少なくともLH-50以上の床重量衝撃音性能が推奨と言えるでしょう。
お住まいをご購入当時の販売パンフレットや、販売会社または管理組合にて、床のコンクリート厚さや乾式二重床の遮音性能などを問い合わせてみてください。
設計上の性能は所定の基準を確保していても、暗騒音が低い時には、うるさく感じられることもあります。音のうるささは、人によっても感じ方が異なり、うるさく感じる人もいれば、あまり感じない人もいます。いずれにしても管理組合に相談し、他室で同じようなことがおきていないかどうか聞いてみたらいかがでしょう。管理組合が全体の問題として動いてもらえると心強いです。
上階からの床衝撃音が頻繁に受忍限度を超える場合には、それなりの対応を相手方に求めることができると思います。しかし共同住宅の躯体コンクリートは一体となっていますので、一定程度の音は伝播して伝わってくることは仕方ない面があります。騒音の受忍限度は人によって様々と思われますが、裁判などでは騒音値を測定し、室内静ひつ音性能の等級によって受忍限度が評価されることがあるようです。
まずは、床に厚いクッションを更に二重に敷いてもらったり、子供さんたちに走ったりしないで静かに歩いてもらうよう、引き続きお願いしてみたらいかがでしょうか。

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