相談内容

地方の実家にUターンして、耐震やプラン変更をして両親と住み続けたいと思っています。築70年くらいの瓦屋根平屋で内部は真壁漆喰の古民家です。庭も日本庭園のようで、樹木がたくさん生い茂り気に入っています。何とかこの和の雰囲気を残して改修したいと思っていますが、どこにどのように頼んでよいのかわかりません。また費用もどのくらいかかるかもわかりません。どのように進めていけばこの改修が実現するのかお知恵を貸してください。

 


 

実家でお育ちになったので、その古民家は良くお判りでの判断かと思われます。しかし住んでいても判らない、基礎、床下や小屋裏など普段見ることのできないところの確認が重要です。実際床下や天井裏に入り込み、構造材の腐朽状況、シロ蟻被害、構造壁の位置、構造材の緊結金物などを確認しておく必要があるでしょう。
確認をご自分でできれば理想的ですが、行政に無料耐震診断を申し込めばある程度は専門家がやってくれます。耐震診断は日本建築防災協会の2012木造住宅の耐震診断と補強方法、によって行います。診断の結果評点0.7未満であると、倒壊する可能性が高い、0.7~1.0未満は倒壊する可能性がある、となっていますので評点を1.0~1.5未満は一応倒壊しない、1.5以上は倒壊しない、までに耐震性能を上げることをお勧めします。

補強の方法ですが、古民家の雰囲気をなるべく壊さないように、押入れ内部の壁などを中心に、建物全体にバランスよく耐震壁を配置するように心がけてください。
耐震補強の計画は専門家にお願いすることになりますが、行政などで補強設計ができる設計事務所のリストを公開しているところもあります。または近くの設計事務所などを数社調べてみて、直接交渉してみるのもよいかもしれません。
耐震補強にかかった工事費や補強計画策定費は助成制度があるはずですので、併せて行政に問いあわせてみてください。
そしてプランの変更は耐震補強設計と同時に行うのが良いでしょう。
梁のかかり方で柱や壁を移動することができないことがありますので、やはり耐震優先でプラン変更は考えてください。
当然予算もあることでしょうからこの時点で概算見積をとりましょう。地元の信用できる工務店が良いと思いますので、耐震補強設計をお願いした設計者に聞いてみたり、または人ずてに評判を聞くなり、調べたりして数社に概算をお願いしたらよいと思います。その後の対応などで一社に絞り込み、予算と相談しながらプラン変更と、内装や設備機器交換などを見込んだら良いと思います。昔ながらの古民家は冬暖かく夏涼しい、と言われています。ほかの改修の進め方もいろいろとありますが、参考にして楽しみながらゆっくりと進めてください。

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