相談内容

Q: 木造住宅の新築を考えていますが、地盤が良くないようです。

建物が出来てから、傾いた例があるという話を聞き、不安になりました。これから、どのような設計が必要なのでしょうか?

 

A:大前提として設計の前に調査を行いその土地をよく知る必要があります。

1.地盤調査

①そのなかでも家が傾かないためにはしっかりとした基礎を設計する必要があります。基礎設計を進めるにあたっては地盤を調査し地耐力を知らなければなりません。地耐力を知るための地盤調査は主に以下の方法があります。

  • 標準貫入試験 
  • スエ―デン式サウンデング試験
  • 平板載荷試験

木造住宅など小規模な建物では、簡易ではありますがスエ―デン式サウンデング試験(以下SWS試験とする)で調査する例がほとんどと思います。

SWS試験とは、先が尖ったスクリュウーポイントをロッドと呼ばれる支柱の先端に取り付け、それに重りを載せ、積載した荷重ごとの地盤への貫入量を測定する試験です。

SWS試験については以下の長所、短所がありますが、小規模で軽量な木造住宅程度であれば特別な事情が無い限り、SWS試験の結果で基礎設計を行うことで良いと思います。

長所:・費用が他の調査方法に比べて安価である。

   ・測定器具がコンパクトなことから狭い場所でも測定が可能。

短所:・サンプリングを伴わないので土質試験が行えない。よって精密な土質数値は得られない。

   ・硬い地層に達するとそれより深い箇所に貫入不能となり測定できない。

②地耐力評価

SWS試験結果はNwsという数値で示されますが、地耐力を評価するためには標準貫入試験でのN値という数値に換算する必要があります。これを換算N値といいます

③地盤の液状化について

地耐力の他、場所によっては液状化現象が生じる可能性についても検討する必要があります。液状化現象を起こしやすい地盤の主な条件は以下の通りです。

  • N値が概ね15以下。
  • 地下水位以下で水が飽和している。
  • 砂質土で、細粒分含有率35%以下の場合。
  • 地表面から20m以浅の沖積層

液状化層及びその上部の地層を支持地盤とすることは原則として出来ません。 

2・基礎設計の構造

 国土交通省告示第1347号では、地耐力により以下の基礎構造を定めています。

  • 地耐力が20Kn/㎡以下の場合:基礎杭
  • 地耐力が20Kn/㎡以上、30Kn/㎡以下の場合:べた基礎もしくは基礎杭
  • 地耐力が30Kn/㎡以上の場合:布基礎もしくは、べた基礎、基礎杭

必要に応じて地盤改良をする場合がありますが、上記においては地盤改良後の地耐力とすることが出来ます。 地盤改良には以下の方法があります。

・浅層地盤改良  ・深層地盤改良(柱状地盤改良)

一覧へ