第21回 JIA関東甲信越支部 大学院修士設計展 2023

荒川区町屋地区の空間特性を継承した地域施設と集住体複合施設の設計提案

- 江川堀に育まれた互助的共同体の再生を目指して -
氏名
清水勇佑
所属
日本大学大学院
理工学研究科 建築学専攻
研究室
今村雅樹研究室
作品概要

水路を持つ木造密集地域は、水路が線状の閉じた中庭空間により共同意識が形成され、生活や仕事に水を共有することで互助的共同体が育まれてきた。現在は水路が埋め立てられ暗渠となり路地空間へと変わり地縁コミュニティは希薄になり様々な地域の課題が発生している。そこで、水路中心とした空間特性を地域施設として再評価を行い、地域の課題を解決する。本設計提案では荒川区町屋地区を対象とし、江川堀の空間特性を継承し互助的共同体の再生を目的とする。水路の閉じた線状のコモン空間の空間特性として、共同体の段階的な連続による共同体の図式と機能的な互助共助の図式を分析し定義し設計手法として転換する。設計提案では、4つの路地と水路の関係性からSiteA-地域施設と病院施設の複合施設、SiteB-高齢者施設と保育園の複合施設、SiteC-低所得者アパートと銭湯施設の複合施設、SiteD-カフェと発信ギャラリーの複合施設とし計画した。個々の機能は水路を介し互助的共同体を形成するとともに、まちの緑地帯として線状に連続することでまちに開いた地域施設群を提案する。各敷地が機能的に連携し段階的に共同体が連続することで豊かな地域コミュニティの再生を目指す。

作品イメージ

Profile

KENKOMI.JAPAN 代表役

WASA世界建築学生賞国際コンペ審査員長