空間の連続性に着目した開放性を持つ浴室まわりの提案

氏名
菅野 楓
所属
東京都立大学大学院
都市環境科学研究科 建築学域
研究室
小泉雅生研究室
作品概要

住宅の浴室はユニットバスの開発によって規格化し、プライバシーや設備・構法などの観点から居室とは切り離され、住宅の端に寄せられることが一般的である。このような浴室のあり方は、狭小敷地の住宅においては採光面・床面積の制約になっている。そこで、閉じられた浴室空間を解体し、住宅内外と連続性を持たせることで良好な居住空間を作り出すことができるのではないかと考えた。本研究では、2000年以降の建築家の開放性を持つ浴室空間を対象に事例分析を行い、開放性を持つ浴室まわりの設計手法の導出と、新しい浴室空間の活用方法の提案を目的とする。

浴室の構成パタンの分析から、プライバシーの意識の変化や技術の進歩によって、公室に開放的な浴室と住宅の上層部に配置される浴室が増加していることがわかった。
また、光環境の確保・空間の広がり・動線の効率化・プライバシーの確保・浴室の多機能化といった開放性を持たせるで得られる5つの効果と設計手法を抽出した。

これらの分析結果を用いて、狭小敷地における2つの住宅の設計提案を行った。プライバシーの確保や採光条件が難しい狭小敷地では、浴室を住宅の中心に配置し、上部を3層吹き抜けとすることで入浴時以外には光庭として活用する生活像を提示した。住棟間隔が狭い高層住宅では、浴室と同じく防水性が重視される屋上と一体化することで、浴室の開放性と居室部分の空間の広がりを可能にする浴室のあり方を提示した。

作品イメージ

作品ファイル

Profile

  • 略歴
    2019年
    関東学院大学 建築・環境学部 建築・環境学科 卒業
    2022年
    東京都立大学大学院 都市環境科学研究科 建築学域 修了

一覧へ戻る