連鎖するトップライト
- トップライトを利用した木造密集街区の更新手法の提案 -

氏名
菊池 悠太
所属
東京電機大学大学院
未来科学研究科 建築学専攻
研究室
日野雅司建築設計研究室
作品概要

東池袋5丁目14番に残る木造密集街区を対象に、東京都に多く存在する木造密集地の「随時的な更新手法の発見」を目的としたケーススタディを、「トップライト」を利用して改修をベースに行った。経済合理的な木造密集地域の大規模な都市開発ではなく、縮小傾向にある都市において適切な段階的に建て替わっていく新たな更新手法を、トップライトを用いて提案する。木造密集地域特有の近隣同士の現代の枠にはまらない独特な距離感が生み出す暮らし方を保全しながら、今後の存続のヒントとなることを期待した設計と手法提案を行う。
スタディのヒントを得るためのトップライトの事例調査を行った。採光方法と通風、視線操作などの機能を軸に20グループに振り分けた。それらを参考にしながら対象街区内の22棟の戸建住宅やアパートを1棟ずつトップライトを用いた改修スタディをする。このスタディでは発見が2つあった。1つは一般的に建物単体で完結するトップライトが、ここでは複数の建物が共同的に関わるものが多くあったこと。2つ目は、路地や建物同士の隙間などの細かいシチュエーション別に類型化できる点である。これらのスタディから得た発見を元に、「木造密集地域の随時的な更新手法」を作成し、手法の汎用性、可能性を展望するために手法を利用した新築提案を1棟行った。
場当たり的に1つ1つ治療していくようなトップライトを用いた随時的な更新は、密集した街区や都市に徐々にヴォイドを挿入し、遂には都市的な効果をもたらす。近代的な開発方法を見直し、本提案手法が次世代をカタチ作ることを展望する。

作品イメージ

作品ファイル

Profile

  • 略歴
    1998年
    栃木県壬生町生まれ
    2020年
    東洋大学理工学部建築学科 伊藤暁研究室 卒業
    2022年
    東京電機大学大学院 未来科学研究科 建築学専攻 日野雅司研究室 修了

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