採石における建築の構成
- ネガポジの手法

氏名
鄭 烺坤
所属
多摩美術大学大学院
環境デザイン 建築
研究室
松澤穣研究室
作品概要

掘るは非常に面白い動きである。数万年前に人々が洞窟から出た時に、限られた地元にある資源で小屋を建てるから、採石という行為が生まれた。都市のボリュームが増えることに伴い、採石場のボリュームが減ってゆき、掘削した空間がネガと考えられたら、建てられた空間がポジとなる。採掘によって生まれた地下空間がどんどん広がって行くほど、地上の世界もその力でより膨大になり、新しい可能性を生む。採掘と建造、凹と凸、ネガとポジ、掘られた空間と建てられた空間をまつわて採石と建築の関係性を深めている。石を掘りながら空間を作ることで、採石場にしかできない建築が出ってくる。本研究では採石と空間の可能性を引き出し、採石における建築の構築手法を探る。
設計した空間は2つの部分に分かれて構成され、半分は掘削によって構成され、残りの半分は採掘された石を積み上げることによって構成された。 採掘方法により縦向きと横向きの掘削を設計に持ちいて、内部が互いに貫通されて空間ができ、より良い照明と換気効果にも実現する。石の空間で、素朴な材質、大地の息吹が感じ、一般建築とは異なる特性が味わえる。石の上に残した太陽の暖かさ、大地の匂いが混じった風、光と風の変化を通して自然の優しさを感じられる。風、光、影は時間の変化に従って変化し、生気に満ちた空間を織り交ぜる。美術品をその空間の中に並び、自身の美しさの上で更に美感を加え、そのときどきで変化していく体験が感動を生み出す。

作品イメージ

作品ファイル

Profile

  • 略歴

    中国からの留学生、テイロンクンと申します。模型づくりがすきで、よくスタディー模型を作って、空間や構造などを検討して、手と目で何回も何回もデザインを練る。指先で建築を考えることを楽しんでいる。

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