hub house
- 玄関に着目した多元的住居の提案 -

氏名
加瀬 航太郎
所属
芝浦工業大学大学院
理工学研究科 建設工学専攻
研究室
原田真宏研究室
作品概要

玄関は歴史的に都市と住まい、社会と個人の接続関係が投影される多元的な領域性を有する空間として存在してきた。しかし、現代の住まいに目を向けると玄関が単なる出入りのための開口部としての役割を担うにとどまり、今や玄関がそれまで有した領域性すら喪失しつつある。具体的には、都市との応答関係は玄関扉周りに設置されるインターホンやドアスコープ等に代替され、領域としての玄関は境界としての玄関へと変容し、住居は閉鎖的に都市に現れる。

それらを踏まえここで提示するのは、個人と共同体それぞれが役割の異なる玄関を有することにより、多元的な社会へのシークエンシャルな接続を果たす「ハブとしての住まい」である。現代において「家族」という枠組みの定義は放棄され実に多様的な在り方を示し、また「個人」は主にインターネットを介し、多層の組織や共同体と相互作用し多元帰属する。「ハブとしての住まい」は共同体と個人の動的な社会との関係性を都市に現す。

逆説的ではあるが、個人が社会単位として尊重されたときにその個人は家族という単位を尊重することを可能にすると考える。またその家族はもはや個人をいかなる意味においても拘束するものではないだろう。

作品イメージ

作品ファイル

Profile

  • 略歴
    1998年
    栃木県下野市生まれ
    2020年
    関東学院大学 建築・環境学部 建築・環境学科 卒業
    2022年
    芝浦工業大学 理工学研究科 建設工学専攻 修了予定

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