休息の場で、巣づくりを。
- 様々な“状況”を構築するこれからの「こどもホスピス」の在り方 -

氏名
坂上 直子
所属
工学院大学大学院
工学研究科 建築学専攻
研究室
冨永祥子研究室
作品概要

命を脅かす病気の子供と家族が休息することのできる「こどもホスピス」。日本では馴染みなく、病気の子供が死を待つ看取りの場所と勘違いされることも多い。現在、こどもホスピスは黎明期でありながらも、設立に向けて全国で活動が行われている。

調査・研究では、こどもホスピス発祥の地であるイギリスとの比較、大阪市鶴見公園内にある「TSURUMI こどもホスピス」の施設見学、スタッフへのヒアリング調査、写真による断片的な行為の観察、動画による一連の行為の流れの観察などを行った。表面的なものではなく、人々に寄り添ったより踏み込んだ調査・研究を行った。そこから病気の有無に限らず、子供から大人まで多様な人々を受け入れ、カスタムメイドのケアをしていくことが重要だと結論づけた。

子供は病気であっても成長途中で、遊び・憩い・学ぶことが重要である。
こどもホスピスは、そのような子供の「生きる」を支える場所として存在すべきだ。
その際の建築空間は、一義的・均質的な機能の部屋が並ぶのではなく、人が能動的に空間に関わり、様々な状況を構築することが生きる意欲に繋がると考えた。

行為や身体性といった微視的な視点から考え、設計者の思惑以上に人々の行為の拡張、関係性の増加があるような建築空間を提案する。

作品イメージ

作品ファイル

Profile

  • 略歴
    1997年
    東京都生まれ
    2019年
    工学院大学 建築学部 建築デザイン学科 卒業
    2022年
    工学院大学 工学研究科 建築学専攻 修了

一覧へ戻る