個性の保存
歌舞伎町一丁目における都市の更新方法の提案

氏名
三浦 亜也奈
所属
神奈川大学大学院
工学研究科 建築学専攻
研究室
曽我部研究室
作品概要

東京を歩いていると、しばしば周辺から隔離されたような空間に遭遇する。新宿・歌舞伎町はその一つだと言える。歌舞伎町一丁目と外との境界にはところどころゲートが設けられ、それより先に足を踏み入れると、目の前に他とは一変した世界が広がる。暗闇に一晩中浮かび上がるおびただしい量の看板の数々や、建築の前面に剥き出しで配置された設備機器、異様に視界の抜けない街区構成などがこの場所の独自性の担い、他と分離した異世界感を生み出している。このような一般的にネガティブに捉えられる、調停を逃れた要素の蓄積 (=無秩序な景観 )が歌舞伎町一丁目独特の景観を生んでおり、本計画ではそれらを一定の価値のあるものとみなしていきたいと考えた。一方、歌舞伎町を含む新宿では都市スケールの視点から再整備が計画されておりさらなる人の流入の加速に加え、来訪者が知覚するような無秩序な景観が失われていくことが懸念される。こういった状況を背景に、フィールドワークによって得られた街の個性を取り入れ、一つに凝縮した建築を提案する。今後、都市の宿命としてある程度の機能的視点の開発は免れない中、提案する建築が街の個性を繋ぎとめる存在になることを期待する。

作品イメージ

作品ファイル

Profile

  • 略歴

    千葉県旭市生まれの山形・横浜育ち

    神奈川大学工学部建築学科 卒業

    神奈川大学工学研究科建築学専攻 修了

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