作品詳細

時空(とき)をかける - 渋谷駅東横線の高架線跡地計画 - 

氏名
吉永 有美子
所属
昭和女子大学大学院 
生活機構研究科 環境デザイン研究専攻
研究室
田村圭介研究室

作品概要

2013年3月16日、東横線は副都心線と直通となり、渋谷駅は通過駅となった。その為、渋谷から人が流出してしまうのではないかという懸念が挙げられている。そこで、渋谷の賑わいを失わせないために新しい価値を創り出す必要があると考えた。本計画では、東横線の高架線跡地を利用して持続可能な都市を作る手法を提案する。段階的に時間と空間が重なることで発展してきた渋谷の成り立ちを分析し、設計手法として取り入れた。渋谷駅街区が完成する2026年までの間に、渋谷周辺で起こる変化を考慮に入れて6段階で渋谷から代官山までの道を設計した。また、今回の設計では都市の中の変わらないものとして、渋谷の文化を創り出してきた高架線を残し、新たな価値を生むためのものとして、高架線周辺の街の更新を促す設計を行った。記憶は残しながら更新し続ける都市の設計である。具体的には、老朽化が進んでいる高架線を建て替えていく。一部分で建て替えが行われているとき、そこには迂回路ができる。この迂回路は少しだけ本来の高架線の位置からずれて置かれているため、周辺の敷地と高架線の関係が少し変化する。そこに価値のきっかけとなる空間を埋め込む。空間は、段階ごとに時代を読み取りながらその質を変え、街の変化に意識を向ける。街に少しずつ変化を促す空間を埋め込むことで、計画された街と無意識的に生まれた街が混在した街が作られる。時と空間が堆積し、新しい価値が生まれ続ける。
プロフィール
吉永 有美子
1988年 静岡県出身
2011年 昭和女子大学 卒業
2013年 昭和女子大学大学院 修了


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