作品詳細

空間深化研究 - 継起的空間による縮築化 - 

佳作

氏名
古俣 尚志
所属
工学院大学大学院 工学研究科 建築学専攻
研究室
木下庸子研究室

作品概要

 日本の伝統的空間には、すべてを見せないことや、思いがけない空間を展開させ、移ろう変化の美しさを狙うこと、また小さな空間を大きく見せることや、連想の美しさが求められる、など独自の空間形成思想が存在する。常に流れがあり、移り変わりの中に美を求める思想は、古くから我々日本人に根ざすものである。しかしながら現代、モビリティの発展に伴い、移動するプロセスを楽しむのではなく、いかに早く目的地まで移動出来るかが重要になっている。気早になってしまっている私たちは、移動する間の小さな変化を飛ばしながら、時には重要な物までも見落としてしまっている。移動過程よりも速い手段に重要視してしまっている現代の人には、元来から根付いてきた日本独自の移り変わりの中に見出す美の意識を見失ってしまっている。そこで私は、日本建築が元来から持つ空間の「深さ」に着目した。「深さ」とは、物理的、心理的と多義的な意味で扱われる。空間同士を結ぶプロセス空間を出来るだけ延長させ、そして継起的展開性のある空間に置き換えた。迂回するかのような空間は、気早となってしまっている現代の人にとっては不都合かもしれない。しかし、次から次へと新たな光景が生み出される演出空間は、次第に移り変わりの美意識を喚起させてくれるのではないだろうか。

プロフィール
古俣 尚志
1987年 栃木県生まれ
2006年 栃木県立足利高等学校 卒業
2011年 工学院大学工学部建築学科 木下庸子研究室 卒業
2013年 工学院大学大学院工学研究科建築学専攻 木下庸子研究室 修了
現在

株式会社ジェイアール東日本建築設計事務所 勤務

受賞歴

2011年 工学院大学工学部建築学科卒業設計 最優秀賞・建築デザイン賞
2011年 (社)埼玉建築設計監理協会主催 第11回卒業設計コンクール展 優秀賞
2011年 レモン画翠主催 第34回学生設計優秀作品展 -建築・都市・環境- レモン賞
2011年

(財)日本賃貸住宅管理協会東京支部主催 第2回JPM学生コンテスト セキスイハイム不動産賞(共同制作)

2012年

JACS 全日本学生建築コンソーシアム 2012住宅設計コンペ 佳作

2013年

工学院大学大学院修士論文設計 最優秀賞・建築デザイン賞

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