この小学校は、月島一丁目、月島西仲通り商店街に面する敷地に計画され、臨海部における教室不足と、少人数学級の実現にむけ新設される、まちの中の「ちいさな学校」である。
設計にあたり、次の2つのことを主要なテーマとする。

１）まちの活動と一体となる小学校

まちの中は、学びの本質に満ちている。まちの中で起こる出会いこそが学びの本質であり、その出会いこそが学校の原点である。まちの中の1施設としての学校ではなく、まち全体が学校であるような、さまざまな出会いがおきる場を計画する。
【小学校＋区民センター＋商業】
小学校の規模は、１学年一学級、区民センターは行政サービス出張所や、子育て支援、地域図書など、まちの人々が気軽に、そして生活が便利になるようなプログラムを誘致する。また、現在この敷地で営まれている4つの店舗が入り、本計画のプログラムが構成される。

２）異なる用途の場の関係性

小学校、区民センター、商業と異なる用途の場が、どのように関係性を持つべきか。
空間として完全にわけられるのではなく、柔軟に、お互いの関係を保ちながら一体感を生む。室として与えられる場ではなく、人が場所を選んでゆくような人の居場所をつくる地形をつくっていきたい。
本計画では、壁面をずらすこと、高さを調節することによって、場所の領域を示しながら、他の場所、異なる用途の場へと風景を広げ、さまざまな活動が見え隠れする場を作る。
【重なる領域を生む場の設計】