Ohizumi Extension
建築・自然・土木構築物からなる〈人工地層領域〉の提案
氏 名
渡部 道洋
所 属
日本工業大学大学院 工学研究科建築学専攻
研究室
小川次郎研究室
作品概要
都市には、過去の再開発や都市インフラ整備等の計画によって、異なったスケールや性質のものが重ねられ、人工的な地形のようなものが発生しているようにみることができる場所がある。
 そこで本計画では、それらの場所を〈人工地層領域〉と捉え、構成的なあり方を時間的な変遷から分析する。さらに、こうした検討から得られた環境どうしの関係を空間構成に反映させた設計プロジェクトを提案する。
 分析にあたり、〈人工地層領域〉を構成しているものをそれぞれ〈建築〉・〈自然〉・〈土木構築物〉とし、それらの関係を時間的な変遷から検討した。その結果、土木的スケールの空間操作が比較的初期の段階で挿入されている事例が多いことを見出した。例えば対象地である練馬区大泉では、外環自動車道という土木的な要素が周辺環境を分断し、上部にできた人工地盤も周囲から独立した状態で放置されている。また当地は、近い将来道路や地下鉄駅の建設が計画されているため、今後発展する兆しのみられる敷地でもある。こうした分析及び想定を基に、交通渋滞を解消するための新たな道路や、地下鉄の駅へのアクセスを考慮した、周辺地域に広がるような配置の建築を計画する。
 このように、〈人工地層領域〉の時間的な変遷から読み取れる構成を捉え、設計に組み込むことで、建築と既存の地形、土木的な要素が相互に関係し合い、多様な空間的性質に満ち、周辺地域と積極的な関係をもった都市空間が生まれると考える。
作品01
作品02
(pdf 3.3MB)
渡部 道洋
Profile
1984年 栃木県生まれ。
Copyright (C)The Japan Institute of Architects Kanto-Koshinetsu Chapter 2007
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