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 トレンチタウン・ウメダ 土壌浄化処理を利用した工場跡地再生計画
 氏  名 塩野入 広之(シオノイリ ヒロユキ)
 所  属 日本工業大学大学院 工学研究科建築学専攻
 研究室 小川次郎研究室
   
 作品概要 

近年、東京区部の北部において見られる、造成済みの大規模な空地が目立つようになってきた。それらは、地方や海外への移転にともない閉鎖された工場や、廃止された車両整備場の跡地であることが多い。また、これらは再開発される場合でも、かつて敷地に存在した空間性や建築プログラムが省みられることは少なく、周辺地域から空間的・用途的に独立した都市空間となることが多い。そこで工場跡地の再利用にともなう土壌浄化処理に着目し、その過程に生じる掘削工事を用いた都市空間の再生を設計プロジェクトとして提案するものである。土壌浄化処理は過去の土地履歴を参照した上で、規定値を超す有害物質が発見された場合、敷地の掘削による土壌の入れ替えが行なわれる。また、直前の土地利用だけでなく、敷地の調査は、過去の使用履歴も含むため、掘削の深度や範囲は、長期的なスパンにおけるその土地の時間を含み込んだものとなる。しかし、こうした調査による土地の使用履歴の解明や、それに伴う土壌浄化処理により生じた土地の凹凸、即ち歴史的、物理的コンテクストが、敷地の再開発に反映されることは殆どない。そこで、土壌浄化によって刻まれた地面の凹凸を、敷地に固有なコンテクストと位置付け、利用することで、土木工事と建築工事の連携による空間構成の方法を提示している。このことにより、敷地の由来といった、これまで見過されがちであった場所独自の性格を活かした環境の活性化が可能となると考える。
  (PDFファイル 1,008KB)
 プロフィール
1981 長野県生まれ
   
   
   
   



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Copyright (C)The Japan Institute of Architects Kanto-Koshinetsu Chapter 2006 
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