空間のシークエンスに基づく設計 ―横須賀市美術館計画への一試案―

氏 名 幸田真一
所 属 関東学院大学大学院 工学研究科 建築学専攻
研究室 渡辺明次研究室
   
作品内容  人間がいかに建築を認識あるいは評価し,感性的な潤いのある空間として捉えるかは,設計上の重要な課題である.人文地理学者であるイーフー・トゥアンは著書の中で時間と場所の関係について,「時間を運動もしくは流れとして捉え,場所を時間の流れの中での休止として捉える考え方」があるとしている.つまり,建築空間の価値基準を与える場所性は,空間を継起的に映画の「コマ」のように扱い,シークエンスとして建築的に操作創造することで生み出されると解釈できるのである.
 そこで本計画は上述の理念を基に,「(仮称)横須賀市美術館計画」において空間のシークエンスに基づいて設計することの有効性をみいだす試みであると同時に,今後の地域施設のひとつのあり方を模索することを目的とする.
 本研究は、第1部の研究背景で空間概念やシークエンスの本質論を文献から探り、続く第2部では美術館の現状と将来像を述べた上で、事例研究では芦原義信の「空間の積極性と消極性」に着目した空間概念を美術館建築に当てはめ考察している.第3部で設計項目に入り,敷地現況の物理量シークエンスの分析に加えて,ノーテーションのシステムを用いた調査により配置計画の有効性を確かめている.続いてダイアグラムの検討を中心とする一次設計,構造システムや採光方式などの二次設計を行い、最終章では計画案のシークエンスを記述し,模型の画像を用いて精査している.

 


(PDFファイル・2.2MB)

プロフィール
1978 千葉生まれ
2001 関東学院大学工学部卒
2003 関東学院大学大学院工学研究科修了
現在、小林真人建築アトリエ勤務


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