■氏 名 |
山中隆寛(やまなか・たかひろ) |
■所 属 |
神奈川大学大学院 工学研究科 建築学専攻 |
■研究室 |
山家研究室 |
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■作品内容
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情報技術の進展に伴う実体としての空間の在り様は、興味深い問題提議ながら明確な結論が得られていないのが現状である。本研究では、非常にカオティックな様相を示す渋谷において、周囲の諸機能との連携を想定したデジタル・アーカイブに関わる活動の集積点としての情報複合施設を計画するものである。すなわち、ヴァーチャルなネットワークと物理的な空間のネットワークの重ね合わせによって、都市空間と情報というテーマに対する解の一つを建築的提案として示すことを目的とする。
情報技術の進展と空間との関わりについて文献等により考察を行うとともに、渋谷の空間特性についての調査・分析を行った。その結果、1.昼間人口の差等から人々が通過している様相が伺えること、
2.過去10年の建築物の用途変更の調査から常に大きな変化が生じていること、3.中心の変化及びストリート名称に関する考察から点ではなく軸として常に変化していること、が明らかになった。すなわち、渋谷は「移動」と「変化」を特質とする都市空間であるといえる。
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以上の調査・分析をふまえ、東京都渋谷区宇田川町に情報複合施設の計画を提案した。空間構成の要点は、1.機能の分散とネットワーク、2.モノの移動と変化、3.空間と行為の連続性であり、これらの要点を具現化するものとして、平面方向に広がるオープン・フロアと垂直なヴォイド・スペースを考案した。「1.機能の分散とネットワーク」は、各階に分散的に配置した機能をオープンフロアとヴォイド・スペースにより結び付けることを意図する。「2.モノの移動と変化」は、モノのストックとフローをコントロールすることにより、機能の変化に対応し促すものとする。「3.空間と行為の連続性」は、日本的空間が従来保有していた「しつらえ」のシステムを取り込むことにより、モノの移動と変化に対応し、また外部と内部空間をつなぐ役割を担う。
また、「情報が建築をいかに変容させるか」という副次的テーマに対する解答として、インターネットを用いた都市空間の調査・分析方法の提案を行った。
そして、最後の最後まで面倒を見ていただいた山家先生と僕を卒業へ導いてくれたリュウタロウサン、ケイスケ、オイヌマ、マル、キオ、マサト、本当にどうもありがとう! |
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(PDFファイル・908KB) |
■プロフィール |
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山中隆寛(やまなか・たかひろ)
1978年 神奈川県生まれ
2001年 神奈川大学工学部建築学科卒業
2003年 神奈川大学大学院修士課程(山家研究室)修了
現在、株式会社ゼニヤ デザインセンター勤務 |
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