ウィンド・シティ・プロジェクト

氏 名 平林政道
所 属 東京工業大学大学 院理工学研究科 建築学専攻
研究室 塚本由晴研究室
   
作品内容

 東京の街を歩いていると空気の汚さに驚かされることがある。幹線道路は常に渋滞し、排気ガスによる喘息患者も増加している。夏の暑さも驚くべきもので、東京の平均気温は50年前に比べ3度ほど高くなっていて、気象学者によれば東京はもはや亜熱帯であるそうだ。
 「ウィンド・シティ・プロジェクト」は、このような大気汚染やヒートアイランド現象を解消するために、都市における通風を改善する提案である。風は大気成分の移動であると同時に浮遊物質や熱を輸送している。例えば黄砂は中国から風によって運ばれてくるものだし、バイクのラジエータは風によってエンジンを冷却するものである。したがって通風をよくすれば大気汚染もヒートアイランド現象も緩和できる。一方、風の挙動は建物の高さ・配置・密度に左右されるので、通風をよくするにはこれらを操作すればよい。風の挙動の変化は風洞実験ではなくCFD(Computational Fluid Dynamics:数値流体力学)解析を行い確認した。これはコンピュータにより流体の挙動を計算するもので、風洞実験に比べ短時間でかつ安価にシミュレーションできる。
 敷地は練馬区江古田周辺で、この地域の密集住宅地、暗渠化した河川、中高層建築の立ち並ぶ幹線道路において各々プロジェクトを提案した。ここで問題にしたように通風をよくすることを優先するならば、また違った都市の姿を生む都市計画をたてることができると考えている。


   
 
(PDFファイル・970KB)
プロフィール
平林政道
1977年 石川県金沢市生まれ
2001年 東京工業大学工学部建築学科卒業
2003年 東京工業大学大学院建築学修士課程修了


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Copyright (C)The Japan Institute of Architects Kanto-Koshinetsu Chapter 2003
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