「内側の輪郭線」

氏 名 矢吹光代
所 属 東京理科大学大学院 理工学研究科 建築学専攻
研究室 奥田研究室
   
作品内容

・背景・目的
 建築が高密度化、大規模化した東京の都市空間では建築の外形はほとんど認識されず、外部と内部の境界としての個々の建築のファサードの機能は崩壊しつつある。私達は都市を内部空間から内部空間へと移行しどこまでもインテリアのみの連続として体験している。外部からの視点をもたないために、外部と内部の境界が機能せず、従来の外部と内部の関係が破綻しているような内部空間において、外部と内部の関係性を再構築し、内部空間での位置を相対化することを目的とする。

・手法
 2重の皮膜による入れ子構造と空間性を持った開口という2つの方法により外部空間と関係性を構築する。これにより外壁が押し込まれて外部からは外壁にあいた「アナ」として認識され、2重に内部化された空間からは空間の輪郭が「ハコ」として認識される。主体の位置によって包含関係が反転して、それぞれの位置を相対化する。

・総括
 内部空間において、空間の輪郭に着目して空間の包含関係を可視化し、内外の対比においてその関係をずらすことによって、居場所の相対化をする。内部に存在する空間は相互に輪郭の重複したものとなり、空間同士のヒエラルキー及び、プログラム間のヒエラルキーがなくなり、相互依存する関係となる。空間の表と裏、中と外が反転し続ける関係においては、外部空間と内部空間という対立が曖昧になり、閉じていることによって逆に外部空間を強く意識させる内部空間となる。

全 体 ↑


内 観 ↑
   
 
(PDFファイル・345KB)
プロフィール
氏名 矢吹光代 
2003年3月 東京理科大学大学院理工学研究科建築学専攻奥田研究室 卒業


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