2.LEDの特徴
 照明用途で用いられる光源は、白熱灯・蛍光灯・水銀灯やメタルハライドランプに代表されるHIDランプ(高輝度放電灯)など様々な種類のものがあります。図-1に示すように、白熱灯はエジソンの発明より130年、蛍光灯も約70年の歴史を持つが、白色LEDは10年少々ではありますが、既存光源が真似のできない優れた特長を持っています。

図-1 照明用光源開発の歴史

■「長寿命」・「コンパクト性」
 第一の特徴が「長寿命」です。長期間ランプ交換不要ということによりメンテナンスが難しい場所に器具を設置する場合に、大きなメリットとなります。照明器具に使用される白色LEDの寿命は、照明用途の場合4万時間程度を寿命と定めている商品が主流です。
 1日10時間、毎日点灯すると仮定した場合、10年間使用しても累積点灯時間が4万時間に満たないことから、計算上では照明器具全体が寿命を迎える10年間にわたってランプ交換が不要となり、実質ランプメンテナンスが不要となります。
 第二の特徴が「コンパクト性」です。LEDは従来光源に比べて非常に小さいため配光制御が容易であり、特に狭角に集光する場合、従来光源では大きな反射鏡が必要であるのに対し、小さなレンズで可能となります。配光制御を行わない場合も含めて、様々な建築空間にマッチした薄型・コンパクトな器具デザインが可能になります。
 長寿命でコンパクトという特徴を有しているLED照明は、例えば、ビルの外壁面の演出や棚下照明、クリアランスの少ない場所への設置による間接照明などへの採用など、メンテナンスが困難で、かつスペースの限られている場所に設置される事例が多くなっています。


■「紫外線・赤外線を殆ど含まない光」
 現在市販されている白色LEDの多くは、青色LEDと黄色蛍光体を組み合わせることで白色光を作り出している。ベースとなる青色光に紫外線成分は殆ど含まれず、また黄色蛍光体からは紫外線はもちろん赤外線成分も殆ど発生しないため、白色LEDの光はクールで照射物の変色・退色が発生し難い光源であると言えます。よって、美術品や生物など熱や変退色に弱い照射物を損傷させることが殆どなく、安心して使用できます。

■その他の特徴
 その他にも、「低電圧で点灯させることが可能」な点や、蛍光灯などの放電灯に比べて「調光や点滅制御が容易」、「点滅回数による寿命の低下が無い」、「低温環境でも発光効率が低下しない」など、数多くの特徴を有しています。