報告

大谷石とアートを巡る

報 告REPORT

去る11月30日、日本建築家協会栃木クラブでは大谷石研究会様のご協力のもと、晴れ渡る青空の 下「大谷石とアートを巡る」と題して見学会を開催した。

当日の朝、旧篠原家住宅を集合場所に見学会の参加者がそろった。栃木地域会会員や群馬地域会 の会員、一般の方、総勢17名の参加者による見学会となった。バス移動によりまず向かったのは、渡 邉哲夫氏の工房。と、その道中では実際に渡邉氏の作品が飾られたスズキ歯科医院に立ち寄り、見学 することができた。

そして、目的地の工房では、渡辺氏自らが工房のこと、これまでの仕事の数々を話してくださった。そ れらは大変興味深く、参加者一同が真剣に耳を傾ける内容だった。例えば、石の産出する場所によって 色が変わることは知られているが、さらに石の硬さや粘り、加工の際の感触も変わるため作るものに合 わせて選んでいるとのこと。舟生石・徳次郎石・田下石・板橋石・大谷石と様々な産地があったようであ る。また、現在ではほとんどの作業を機械で行っている中で、最後の仕上げだけは手仕事でないとでき ないと言っていた。角の立ち方が違うのだそうだ。さらに工房の奥では、新帝国ホテルに使用された作 品のレプリカがあり大谷石が放つ魅力を間近で感じることができた。最後には、渡辺氏が磨きという手 作業による仕上げの作業を見せてくれた。石を叩き削る「羽トンボ」という道具で、隅付けした線の半ば を見事に削り取っていく。現れた石の肌は見事になめらかで、まさに磨きと言える仕事を見ることができ た。この磨きを行い手間ひまかけたものこそ、本来の大谷石の姿だと渡辺氏が語っていたことが印象的 だった。そんな素晴らしい技術も次の時代に継承していくことは簡単なことではないはずだが、全てに大 谷石への愛であふれる渡邉氏の表情や言葉からは、未来への希望を感じずにはいられなかった。

続いて訪れたのは、大谷地区にある小野口家住宅。広大な敷地の中に大谷石の蔵などが建ち並ぶ豪 農である。現当主からの説明を聞きながらそれぞれの建物を見学していった。中でも興味を覚えたのは、 木造の蔵に大谷石を貼り付けたもの。その外観は、大谷石の組積造と言われても疑わないもの。 どのような経緯でそのような作り方になったのか、新たな疑問を抱きながら小野口家住宅をあとにした。 そして、見学会のラストは織物作家の渡辺恵美子氏と陶芸作家である谷口有三にお会いすることが出 来た。渡辺美恵子氏の作品は、古い着物を切断し利用する「裂き織り」という技法による現代アート。大 谷石のような白くきれいな作品が印象的だった。谷口有三氏の作品は透き通るようなグリーンが特徴の オブジェなど。現在は大谷石の粉を利用して陶器製作が出来ないか研究中と話していた。 大変充実した見学会に参加者にみなさんも楽しんでいただいた様子。 「大谷石の種類が様々あることに驚いた」、「作家さんとの交流が面白かった」、「身近な大谷石の奥深さ に触れることが出来た」、「作家さんの技術に感嘆した」などなど、みなさんからうれしい感想をいただくこ とが出来た。 地元の宝である大谷石には、まだまだ魅力が隠されている。今回、そのことを知れたのは大きな収穫と 言えるかもしれない。

 

概 要OUTLINE

大谷石建築と大谷で活動している作家を訪ねる

石の里大谷を拠点に活動するアーティストのアトリエを訪ねるツアーです。

今回は旧帝国ホテルの復元に携わった大谷石彫刻家 渡邊哲夫氏の工房も訪ねます。

主な訪問先

旧篠原家住宅:旧商家の空間と大谷石蔵を見学

小野口家住宅:大谷石建築が建ち並ぶ豪農の屋敷を見学

渡辺家住宅:茅葺きの家と渡辺恵美子さんの織りの作品を見学

陶遊舎:陶芸家谷口勇三氏の作品と工房を見学

渡邊哲夫工房:旧帝国ホテルの復元に携わった大谷石彫刻家渡邊哲夫氏の工房見学

詳細情報DETAIL

開催日
2019年11月30日
時 間
9時30分から16時30分
当日の交通状況により多少遅くなる場合もあります。
会 場

JR宇都宮駅前より石の里大谷を小型バスにて巡ります。

交通案内

JR宇都宮駅西口より3分旧篠原家住宅午前9時30分集合

参加対象者
一般/会員/学生
参加費
3000円(昼食代含まず)
問合せ先
E-Mail jmk@tochigi-kenchikushikai.or.jp
問合せ・当日連絡先 090-2620-3995(佐藤公紀)
申込方法

お名前、電話番号、メールアドレス(お持ちの方)をご記入ください。

案内図
案内図
主 催
主催 (公社)日本建築家協会栃木クラブ(栃木地域会)+NPO法人大谷石研究会