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JIA建築家と考える暮らしと住まい 2019@OZONE 人生100年時代の住まいとは 〜生活の変化に強い住まいづくり〜

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人生100年時代の住まいとは〜生活の変化に強い住まいづくり〜

□はじめに

日本人の平均寿命は1960年には男65.32才、女70.19才でしたが、2018年は男81.25才、女87.32才となっており60年間で16〜7才伸びた事になります。平均余命はそれより長くなりますので、何割かの人(特に女性)は100才まで生きることになります。

住宅を新築するのを仮に30代〜40代とした場合、同じ家で住む場合は少なくとも6〜70年は維持して行く必要が有ります。その間に、ライフスタイルの変化がある事は想像が容易かと思います。

日本の住宅戸数は既に世帯数を超えており、逆に空家が8軒に1軒有るという状態で社会問題化していますが、中古住宅の流通はまだ小さな割合です。

建替えられる住宅の理由を見ますと、耐震や断熱などの性能の不満からなどの他、間取りが生活の状況に付いて行けないと言った声が多く有ります。長く住んで行く必要が有る住宅で、これからは出来るだけ少ない費用で、生活の変化に対応できるような家が求められて行く時代になるかと思います。

持続可能な地球にする為にも、建設資材などを大量に使い多くのCO2を排出する建築行為を少しでも抑制して、長く住める住宅を考えていかなければならないのは必須の事と思います。

今回のセミナーでは建築家が設計したいろんなケースを紹介しながら、生活の変化に強い住まいを考えて行きたいと思います。

 

□実例1(関本竜太さんの場合)

将来住宅に起こる(かもしれない)変化付いて、4つの事例に付いて紹介していただきました。

自宅は、両親との二世帯+事務所で、堅牢なコンクリート構造で大きな空間を確保し、内部間仕切りは可変な木造としてあります。築12年となり建物自体のメンテナンスとともに、家族内でも年月の変化が進んでおり、今後の変化を想定して行く事が近づいていますが、その場合でも構造にとらわれずに間仕切り変更できるのは、有効な事例だと思います。

また、家でパンを焼く店を開店した家では、ちょっとした改修で店舗としての保健所の検査にも通りました。その際には天井の高い大きな空間と空間を区切る柱梁が有効だった事例を紹介しました。

新築後ある事情で売りに出た家では、そのまま買手が付いたとこことで、敷地の状況を読み解き、日射や通風など家に基本的な事項をきちんと設計している家は、住み手が変わっても有効だというのが分かりました。

□実例2(高橋隆博さんの場合)

はじめに、割と大きな二世帯住宅の例です。玄関と風呂を共有する二世帯では実際に世代交代が起こり、建物内での引越が有り順調に世代交代出来ました。

また、3世帯8人が住む家では、割と近い間に住み手の構成が変わる事が想定され、一部賃貸住宅への転換なども計画時に想定されていました。この事はやはり変化に強い家となっており、今後の変化にも追従できる家が計画上有効である事を紹介しました。

最後に自宅ですが、外部に鉄筋コンクリートの構造を作り、内部は木造で作るという構成で、やはり使い方の可変性を可能にする工夫がされています。自宅ですが、1階は店舗や事務所もあり、自宅内も、貸しスペースとして利用もしており、使い方のバリエーションも豊富です。

住宅を長い寿命とする為には、住むと言うことだけではなく、いろんな使い方が想定できるような空間も有効である事を紹介しました。同時に、建物というハードな部分だけでなく、使いこなすソフトな部分も必要となる事が分かります。

 

□まとめ

人生100年時代の住宅には、いろんな変化にフレキシブルに対応できる計画的な対応が必要です。

建築家は将来を見据えて提案をして行きますので、建て主は少し先まで眺めるようにして行く事が長く使える住まいとなって行きます。

長く残って行く建物には残したいと思うような魅力が必要であり、残したいと思うような家が増える事により街並や地域が豊かになり、同時にまちの歴史を作って行き、奥行の有る魅力ある街になるかと思います。

 

参加の方からの質問もあり、時間をオーバーして終了しましたが、住宅は大切な社会資産として長く街を形作り、生き続けて行くのが地球環境にも有効ですので、設計時より意識しましょう。

参加の皆さま、ありがとうございました。

 

 

 

記:コーディネーター大川直治

 

概 要OUTLINE

直前情報

 

人生100年時代の住まいとは〜生活の変化に強い住まいづくり〜

現在の人の何割かが本当に100才まで生きる時代となりました。

住宅を新築するのを仮に30代〜40代とした場合、100才までは60〜70年が有るという事になりますので、同じ家で住む場合は少なくとも6〜70年は維持して行く必要が有ります。その間に、ライフスタイルの変化がある事は想像が容易かと思います。子供がいる時期から、子供が巣立って行き夫婦2人となる、不幸にして一人になる事も有るでしょう。また、子供と一緒に住む場合も有るでしょう。その都度家を新築する訳には行かないかと思います。新築には費用が多くかかりますし、長く生活する費用を取り崩す訳には行きません。これからは出来るだけ少ない費用で、生活の変化に対応できるような家が求められて行く時代になるかと思います。

同時に、建設資材などを大量に使い多くのCO2を排出する必要以上の建築行為を抑制し、地球温暖化を防ぎ、持続可能な地球にする為に考えて行かなければならない時代となっている事に繋がります。

 

今回のセミナーでは建築家が設計したいろんなケースを紹介しながら、生活の変化に強い住まいを考えて行きたいと思います。

お二人の講師には、将来の変化を考えた自邸を紹介頂く他、住み手が変わった場合や住み手が少なくなった場合の事例も紹介していただきます。

 

セミナーは、どなたでも参加でき、参加料は無料です。

一般の皆さんはもとより、学生さんやプロの方も歓迎します。

多くの参加を、お待ちしています。

記:コーディネーター大川直治

 

「OPENFLAT」設計:関本竜太(株式会社リオタデザイン)

 

「鷺沼SI-BOX」設計:高橋隆博(株式会社アトリエ秀)

 

4人家族が夫婦2人となり、次は子供と同居など、家族の形は20年単位で変わっていくと言われます。ライフステージやライフスタイルの変化によって生活は変わっていきますが、20年毎に家を建て替える訳にはいきません。変化に対応できる住まいについて考えてみましょう。

 

コーディネーター:大川直治(大川建築都市設計研究所)

 

講師:関本竜太(株式会社リオタデザイン)

 

高橋隆博(株式会社アトリエ秀)

 

詳細情報DETAIL

開催日
2019年11月30日(土)
時 間
13:00~15:00
会 場

リビングデザインセンターOZONE 5階 セミナールーム
東京都新宿区西新宿3-7-1  新宿パークタワー内

交通案内

JR新宿駅南口から徒歩12分、西口エルタワー前より約10分間隔で無料バス運行

講 師
コーディネーター:大川直治(大川建築都市設計研究所)
講師:関本竜太(株式会社リオタデザイン)/高橋隆博(株式会社アトリエ秀)
参加対象者
一般・学生も含む
参加費
無料
定 員
20名(定員になり次第締切)
CPD
CPD 2単位
問合せ先
公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 住宅部会
メールアドレス:seminar-jutaku@jia-kanto.org
申込方法

参加希望の方は、ご希望の日程、お名前、ご住所、電話番号を明記の上、下記アドレスへメールにてお申し込みください。

メールアドレス:seminar-jutaku@jia-kanto.org

主 催
公益社団法人 日本建築家協会 関東甲信越支部 住宅部会