概 要
支部長Report
2021年10月号
コロナ感染第5波が急速に鎮静化し飲食店の時短要請もほぼ解除されました。日常を取り戻しつつあると感ずるところですが、第6波到来にそなえて継続的に感染防止に留意しなければなりません。
さて、このところJIAは勿論、各団体、各企業とオンラインセミナー、講演会が豊富ですね。地方にいる私にとっても勉強する機会を容易に得ることができます。ただ、欲張ってみんな聞いてやろうなんて思うと時間がいくらあっても足りないくらいです(笑)。これは言うまでもなく「withコロナ社会」の産物であり地域に左右されない広がりは情報収集のみならず活動の広域展開を示すものでもあります。
本部においては「オンライン/リモート対応や環境整備に特化した特別委員会」が組織されJIAの新たな活動展開、ネットワーク化などについて具体策の協議が進められています。私たちの柔軟な思考も求められてくるものと思いますが、大いに期待するところです。
皆さまに於かれましては引続きコロナ感染には充分ご留意いただき、ご活躍をご祈念申し上げます。
2021年11月1日
関東甲信越支部 支部長 慶野正司
10月 5日 理事勉強会 (zoom)
恒例となりました理事会前の勉強会です。今回は「ハザードマップと建築物による水害BCP」と題し土屋信行氏(リバーフロント研究所 代表)にご講演いただきました。昨今、異常気象による水害が頻発している中、安全を求めて私たち建築家が出来る事などについて問題提起をしていただきました。「洪水は自然現象」「水害は社会現象」という持論で示されるように水害は社会被害に直結するものであり私たちの工夫によっては軽減できるものでもあるとし、立地要因が大きく土木的な対策は勿論、建築における方策も示唆されました。また現在、建築物の耐震性能の基準はあるものの水害に対する建築指針もなく今後は都計法や建築基準法など法整備も必要になるであろうとの訴えかけは深く納得する内容でした。また今回からこの勉強会は公開しています。今後も多くの皆さまの参加をお待ちしております。
10月 5日 第282回 理事会 (zoom)
審議冒頭の入退会状況は久しぶりに正会員の微増が報告・承認されました。数年後には正会員3000人を切ることを危惧されるなか継続して拡大に努めなければなりません。その他の審議では「CN(カーボンニュートラル)特別委員会」の設置承認、「建築家資格制度等に係る準備WG」「(仮称)知財WG」の設置報告があり、何れも今JIA総力を挙げて取組むべき課題についての推進会議体が設けられ今後、積極的な議論が期待されています。また登録建築家制度の規則・細則・マニュアルが承認され10月から始まる新規登録や更新に向けて準備が整いました。報告事項では特に告示98号の令和5年改定に向けて業務委員会と住宅等連携会議が連携し、さらに設計三会と連携し推進していく事が報告されました。前回の改定では小規模建物の設計実績データ不足により実態に合わない内容となり、多くの課題が指摘されているなか早期の改定にむけて始動しました。データ不足にならないように私たちも積極的に今後の実態調査などに協力していく事が求められます。最後に今まで要望がありながらなかなか実現してこなかった本部ホームページのリニューアルにむけて広報委員会が動き出しました。
10月 7日 第3回 常任幹事会 (zoom)
今回は審議事項がなく全て報告と協議事項です。報告では第282回理事会報告を始めオンライン配信機材の購入、告示98号改定に向けての動き等であり、できるだけ協議事項に時間を割きました。特に昨年開催した各委員会懇談会により抽出した支部課題についての対策では、既に改善されている課題もあるなか、支部全体で継続検討しなければならない課題もあり今後の方針について協議しました。また関連して11月25日開催予定の「委員長・地域サミット合同会議」の企画方針を共有し準備に入ります。そして現在進んでいる学生会員支援体制を組織的に位置づけするための具体的な方策について検討し12月役員会上程に向けて纏めて参ります。
10月 12日 JIA・SDGs建築フォーラム2021実行委員会 報告書WG (zoom)
報告書作成をミッションとするWGです。現在、記録動画から文章化も着々と進み12月発行に向けて編集・調整を行いました。JIAマガジンに同封送付する予定です。
10月 12日 支部 住宅部会オンラインセミナー (zoom)
住宅部会主催のオンラインセミナーが開催されました。建築家・大倉冨美雄氏を迎え「イタリアとは・日本人・クリエイティブ(アーツ)コアとは」と題しご講演いただきました。大倉氏はJIA会員でもありまたNPO日本デザイン協会理事長でもあり、インダストリアルデザインから建築まで多分野のデザイン(ものづくり)を実践されています。またアメリカやイタリアでの長い海外実績を有し、外から日本を眺めてこられた経験からこれからの「クリエイティブ」な職能のあり方についてロジカルな分析を通した考え方をご紹介いただき、大いに勉強になりました。
10月 13日 支部 再生部会 再生セミナー (zoom)
「JIA優秀建築選[リノベーション・再生]の建築を語る」シリーズです。シリーズ第2回となる今回は「地域の記憶を未来に継承する~宿毛まちのえき林邸~」と題し建築家・古谷誠章氏(早稲田大学教授、ナスカ代表取締役)にご講演いただきました。再生部会は建物の再生・継承をテーマに活動されており、古谷先生には「宿毛林邸改修」を始め数多い改修事例において再生に向けての取組みや思想をご紹介いただきました。先生がマリオ・ボッタ事務所在籍中にスカルパの数々の改修事例に触れ現場で考える大切さや、改修による新旧建築部位の対話・調和について学ばれたとの事です。再生活動を通して「建築」は地域の記憶装置であり、再生による「そこにあり続ける建築」「生き続ける建築」の意義は、単に建築物の改修に留まらず人と人のつながり再生にも寄与するものと、深く感銘を受ける貴重な機会となりました。
10月 18日 職能・資格制度委員会 (zoom)
理事会に設置報告された「建築家資格制度及び同認定機関のあり⽅に関する検討会設置
に向けた準備チーム(WG)」のスタートに伴い、WGの目的である検討課題抽出に向けて本委員会で積み重ねてきた議論もスムーズに移行していくよう整理いたしました。
10月 21日 香山壽夫 ドローイング展 トークセッションライブ配信 (zoomハイブリッド)
建築文化推進機構が主催する香山壽夫 ドローイング展が建築家会館で10/15~10/24まで開催されました。展覧会等開催期間中のトークセッションの開催は珍しくありませんが、今回はコロナ禍でのライブ配信を試みました。支部で購入したての配信機材を早速活用してのライブは入念な事前準備のかいもあり当初の目的を達成できたものと思います。十数名の会場参加者が香山先生を囲み展示会場の様子や展示品画像を配信し視聴者にとっても臨場感たっぷりのトークセッションとなりました。その構成は先生のドローイングを言語・絵画・建築の切り口での解説や質疑を通してドローイングにおけるエクスプレッション・インプレッションの分析はとても印象に残り自らの建築創作を考える貴重な機会となりました。
10月 22日 JIA 学生会員交流会 (zoom)
支部を超えて交流を推進している学生会員らが自らの企画として交流会を開催しました。関東甲信越支部、近畿支部、九州支部の学生会員らが集い「私の原風景」と題し学生各位のプレゼンが行われました。それに対し参加正会員も含めてのフリートーキングでは話題満載で学生にとっても正会員にとっても有意義な機会となったものと思います。
決して正会員が使役や誘導したものではないこの学生自主企画はとても楽しく今後も参加者の輪を広げ継続していくようです。とても楽しみにしています。
10月 25日 建築家資格制度等に係る準備WG (zoom)
(仮称)建築家資格制度の今後のあり方を検討する特別委員会設置に向けて理事会に設置報告された準備WGです。WGは職能・資格制度、建築家資格制度実務委員会そして総務委員会からの出向者で構成されており、特別委員会設置に向けて目的、課題、メンバー、期間などの方針決定がミッションです。キックオフ会議ではWGの趣旨や今ある課題について共有し今後具体的に展開して参ります。
10月 26日 学生会員定例会 (zoom)
定例会恒例の担当学生による活動報告後に、学生会員活動体を支部内正式設置に向けて名称など具体的な提案書について意見交換がなされました。主体的に動く元気のある学生も多く、今後の展開が楽しみです。
10月 27日 JIAトーク2021 (zoomハイブリッド)
今年3回目のJIAトークは、現代美術作家である杉本博司氏をお迎えし「調和の妄想~人間は自然との調和のうちに生き延びられるか~」と題しご講演いただきました。東京デザインセンターを会場にオンライン配信によるハイブリッド方式で多くの視聴者参加のもと開催されました。杉本先生はご存じの通り写真、彫刻、インスタレーション、演劇、建築、料理などなど多岐に渡りご活躍されており、2019年成功裏に終えたパリ講演を再現していただき多くの実績と想いをご紹介いただきました。
10月 31日 第5回JIA神奈川建築フォーラム2021(zoomハイブリッド)
神奈川地域会恒例の建築フォーラムが象の鼻テラスをメイン会場にハイブリッド開催されました。テーマを「これからの学校建築を考える」〜多機能かつ安全でサステナブルな学校の可能性~としシンポジウムとデザインレビューのプログラムです。シンポジウムでは教育関係の専門家、若手の気鋭の学校建築計画の研究者とともに、学校建築が抱える課題とこれからのあり方について深掘りいただきました。デザインレビューでは神奈川県下で進行中の3つの学校建築について、設計者による市民に向けたプレゼンテーションを行い、近年大きく変わりつつある学校建築のテーマをクローズアップし今後のあり方を探りました。会場+オンラインあわせて100名を超える参加者の下、内容の濃いフォーラムとなりました。
以上、ご報告いたします。
詳細情報
- 主 催
- JIA関東甲信越支部 常任幹事会