JIA神奈川地域会 第11代 代表 柳澤 潤
「タウンアーキテクトの可能性」を通して公共のあり方を探求するこの3年間、JIA神奈川では「タウンアーキテクトの可能性」について様々な知見を経ながら建築家の活動を取り上げ、タウンアーキテクトの役割とその意義について議論を重ねて参りました。昨年秋の建築フォーラムでは能登半島における「みんなの家」の設計・建設を通して6組の若手建築家に登壇いただき、能登地方にどのように思いを馳せながら設計活動をしているかご紹介しました。今彼らはまさに現地に赴きながら、地元の方々とどうしたら地域の人が元気になってくれるだろうか、どうすれば心が少しでも安らぐだろうかと模索しながら設計を続けています。また今年春の建築祭では「タウンアーキテクトの今と未来」と題して、4組の建築家に登壇いただき、今地域で活動する意義や公共のあり方について議論しました。4組の建築家の活動を通して見えてきたことは、建築家がいかに地域に巻き込まれていくか、また点と点を結ぶ努力を継続的に行えるか、さらには子どもたちへの教育の一環としての建築やまちづくりのありかたが議論され、大変示唆に富むシンポジウムとなりました。社会的にはBIM導入をはじめゼロエネルギー建築などの省エネ建築、防災拠点としての災害時の対応、さらには耐火木造や高層木造など、建築のサステナビリティーが普通の指標となり、建築の進化は多様化とともに目覚ましいものだと思います。ですが、一旦災害が起こったり、コロナのような非常事態が生じたときに、建築はどのような役割を果たすのでしょうか?一昨年の秋は建築レビュー「これからの学校建築」と題して今あるべき学校建築とは、について深く議論しました。“学校”は単なる教育の場ではなく地域連携の核となり、誰もが安心してこどもを育てられる地域の公共の場でもある。学校建築という枠組みを超えて、地域のための建築であり、すべての子どもたちを平等に考える福祉教育の場でもある、つまり学校建築が従来とは異なり、かなり多様な要求に応える社会性の高い公共建築であることが再認識されたかと思います。また「みんなの家」やタウンアーキテクトの活動紹介を通して、建築家の役割の多様化、また柔軟性、協調性が問われる存在に移行している時代であることも再確認できたのではないかと思います。建築家のありかたが2000年以降変容してきており、従来通り、作品性を追求する建築家の姿勢とともに、地域の抱える問題を一緒に悩み、作品を設計するというよりはその地域に持続的に関係できる「かたち」を見出していく、そのような姿勢が現代における社会性と結びついているのではないかと感じています。JIA神奈川は建築家の専門集団として改めて建築を通していかに地域に貢献できる集団であるかをこの1年を通して議論し、実践し、広く一般の方への理解を求めることに精進したいと思います。上記活動を一つ一つ丁寧に紡いでいく、ということを年度の所信表明とさせていただきます。皆様のご協力、お力添えを宜しくお願い申し上げます。
JIA神奈川地域会 第11代 代表 柳澤 潤
2025年度 役員構成
(敬称略・五十音順)
代 表
柳澤 潤 (第11代)
副代表
井上 雅宏
田井 幹夫
幹事長
山下 祐平
副幹事長
伊藤 立平
佐屋 香織
幹 事
井上 玄
小山 將史
清水 智津子(総務補佐)
杉本 憲治
田井 勝馬
寺川 直希
仲亀 清進
濱田 慎太(総務委員長)
藤沼 傑
古谷 雄一
八板 晋太郎
山本 大貴
監 査
杉本 洋文
安田 博道
オブザーバー
岡田 勲
黒田 和司
高橋 隆博
中澤 克秀
中村 高淑(広報委員副長)
協力会会長
竹見 正一
相談役
室伏 次郎 (第6代JIA神奈川代表)
青木 恵美子 (第8代JIA神奈川代表)
飯田 善彦 (第9代JIA神奈川代表)
東條 隆郎 (元JIA本部副会長)
小泉 雅生 (第10代JIA神奈川代表)
顧 問
服部 範二 (第2代JIA神奈川代表)
岩田 穣 (第3代JIA神奈川代表)
金子 修司 (第4代JIA神奈川代表)
山口 洋一郎 (第5代JIA神奈川代表)
会長
(株)ココラボ 竹見 正一
副会長
高島屋スペースクリエイツ(株)
(株)キクシマ
幹事
(株)神奈川ナブコ
神島化学工業(株)
三協立山(株)三協アルミ社 横浜支店
(株)総合資格 南関東本部
DNライティング(株)
文化シャッター(株) 首都圏支店
横浜エレベータ(株)
(株)LIXIL
相談役
星通商(株)
(株)時久組
石井造園(株)
所在地: 〒231-0032 神奈川県横浜市中区不老町1-1-1守谷ビル9階(2023年4月1日移転)
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