コラム

2020.07.27

Vol.47「まちの魅力」 

自分の家、部屋というものは、時間の経過とともに思い出が重なり、お気に入りの品々で自分の空間になっていくと言われている。そこに、自分、家族、友達など親しい人たちとの思い出が重なる。

同様に、長年暮らしたまちには愛着があるものだ。
歴史が積み重ねられ、その場所に自分の思い出や記憶が重なり、自分の馴染みの場所になっていく。

「stay home」の期間で、またその後の一ヶ月の期間に感じたことがある。
イタリアの誰一人いない広場を見てもわかるように、歴史の積み重なりだけでは魅力的なまちとしては不十分だ。
当たり前のように考えていたことだが、自分自身がまちに出ないとその魅力を感じられないし、また作り出せないということである。以前のような人と人とのふれあいが、今のまちには希薄になっている。

日常の買い物も宅配で頼むことが多くなってしまった。商店街の「いらっしゃい、いらっしゃい」という掛け声も懐かしく感じる。
人が集まってこそまちであり、そこに集まる人と人とのふれあいがまちの魅力なのだと、改めて感じている。

記:大塚 雄二

撮影日:2010年7月24日

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