コラム

2020.07.18

Vol.43 環境と対話して生きる

20年前、変形狭小敷地に3階建を計画して、家族が触れ合う安らぎの中で知性と感性を育んでいけるようなアットホームな住まいを設計しました。陽当たり、自然条件を最大限に生かした密度の高い空間です。

その後、東側の葡萄畑が住宅地として拡張。環境が変化することに伴い、一画を購入されたクライアントのために、室内環境を豊かに保ちながら、東側に解放された平屋の増築を庭と一緒に計画して、既存建築にも手を入れての修景計画となりました。

増築された小さな多目的空間は、クライアントと一緒に選定した木立を庭に迎え入れ、近隣とより豊かに対話していける環境へと成長しております。

住まいの環境の変化と、現在の新型コロナウィルス感染拡大の状況下を迎えましたが、変わることのない澄んだ空気の中で、環境負荷の少ない豊かな暮らしが続きます。

私有地から隣地への配慮・・・取り巻く広義の公益性。建築家は、広く環境についての責任を負うプロフェッションでありたいと思います。      

 記:かたくら たかゆき          撮影: 建築写真家 林 安直  


                        


新型コロナウイルスで暮らしと住まいは変わる!?
世界中を襲った新型コロナウイルスという大災害の中でのすごし方、そしてその後の暮らしや住まい、環境に対する意識や価値観は変わるのでしょうか。 住宅部会の 建築家達がリレー形式で、それぞれの視点で語ります。

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