Seeds of the urban void

-宇都宮市中心市街地の特性を生かした農で育てる地域交流拠点の提案-
氏名
松井瑞樹
所属
宇都宮大学大学院
地域創生科学研究科 社会デザイン科学専攻
研究室
建築環境研究室(藤原研究室)
作品概要

近年、地方都市では中心市街地の空洞化が進み、賑わい創出が課題となっている。自然と利便性が両立するまちをPRする栃木県宇都宮市では、LRT延伸予定エリアで高層マンションの建設が進む一方、低層階の空きテナントが目立ち、地域の活気が十分に生まれていない。利便性優先の再開発だけで豊かなくらしや訪れたくなる街が実現できるのか疑問である。オープンスペースの活用も進められているが、単なる残余空間の再利用に留まらず、この地域ならではの暮らしを楽しめる空間を建物と一体的に計画することが必要である。
本研究では、宇都宮市中心市街地の特性やオープンスペースを分析し、人々を呼び込み、滞留を促す公共空間の在り方を探った。特に、オープンスペースと建物、工作物、自然要素の関係を「囲み」として捉え、多層的な囲み形成の重要性を示した。
これらを踏まえ、農で育てる地域交流拠点を二荒山神社の前の商業施設跡地に提案する。神社との関係を大切に、広場を立体的に配置し、大通りにアーケードを設け賑わいのあふれだしを目指した。
消費活動優先の結果生じた残余空間の活用は都市の活性化において重要であるが、再開発時に消費活動のみを優先するのではなく、地域に根差した豊かな暮らしや人々の交流を促進する居場所としても計画する必要があると考える。本提案を通じて、宇都宮中心市街地に新たな活気をもたらし、人と街がより豊かで生き生きとした未来を築くことを目指す。

作品イメージ

Profile

略歴

2023年 宇都宮大学 地域デザイン科学部 建築都市デザイン学科卒業

2025年 宇都宮大学大学院 地域創生科学研究科 社会デザイン科学専攻修了