「トーキョー湾岸今昔物語〈エネルギー編〉 」
- 氏名
- 堀尾理沙
- 所属
- 早稲田大学大学院
創造理工学研究科 建築学専攻 - 研究室
- 小林恵吾研究室
- 作品概要
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東京都晴海では、私たちにとって希薄な「オリンピック・レガシー」を用いた街づくりが進められている。そのため本設計では、晴海の水素エネルギー活用の現在と、豊洲の石炭産業の過去を組み合わせ、「エネルギーの変遷」と「都市の起源としてのエネルギー」を新たな文脈として浮かび上がらせることを試みた。そこで、日本の盆や能をモチーフに、豊洲をアノヨ、晴海をコノヨと見立て、一年に一度、お盆の8月13日に石炭時代の亡霊=「先祖」がコノヨへ渡り、人々と交わる物語を提案した。また、「先祖」の役者として、天使の輪を被り、石炭時代に蓄積された炭酸ガスを水素で再利用するロボットを設計した。舞台装置には、過去を象徴しつつ、映像の投影や即席で空間を作るなど、舞台演出機能を持った障子型構造を10個配置した。そして、物語の開幕と閉幕を演出するため、舞台装置安置所と広場付き水素ステーションを設計した。これらのロボットと障子が都市の中に演劇空間を生み出していく中で、住人や他の地域からやってきた人々と関わっていき、エネルギーや都市の過去と現在を浮かび上がらせていく。この野外劇が毎年繰り返されることで、豊洲・晴海のエネルギーという文脈を未来まで繋げていきたい。
Profile

略歴
2022年 早稲田大学創造理工学部建築学科 卒業
2023年 フランス・パリ 留学
2025年 早稲田大学大学院創造理工学研究科建築学専攻 卒業