イエとうたのねじれ
短歌をもとにした建築設計手法論の展開- 氏名
- 家村しずか
- 所属
- 前橋工科大学大学院
工学研究科 建築学専攻 - 研究室
- 若松均研究室
- 作品概要
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短歌を構築物として立ち上げることを試みた筆者の卒業設計を通じ、短歌を建築設計時に用いることの建築設計手法としての可能性について研究する余地があると考えた。短歌とは、五・七・五・七・七の三十一音の言葉のリズムを基準とした短い叙情詩の事であり、日本最古の和歌集『万葉集』の存在から、奈良時代には既に短歌は詠まれていたと考えられる。長い歴史を持つ短歌は、時代を経て多くの人々に愛され続けてきた。建築とは全く異なる媒体であるが、どちらも作者・設計者の作品であり、表現媒体であることには変わりない。短歌というメディアを建築設計時に用いる可能性について考えることは、筆者の、引いては建築設計者の新たな設計の手立てを提唱することに繋がる。また昨今の「分かりやすさ」建築を求められる社会状況に対し、建築家も無意識的に傾倒し多様な感受を排除している可能性が拭えないのではないだろうか。本設計手法を用いた設計提案によって個々の施主に則した「分かりやすさ」を超えたオリジナルの提案が可能となることを4プロジェクトを通じ検証する。各プロジェクトはそれぞれ施主がおり、施主から短歌を提出していただくないしは選出することから始まり、設計者が着想を得て、要求されるプログラムを解き提案する流れである。スタディの段階ではスケッチや絵画作品の制作、返歌の往復などで、互いを理解しながら短歌と建築スケッチを往復しながら計画を進めた。
Profile

略歴
神奈川県横須賀市出身
ノスタルジアの解体展 2019 絵画出品
木の家設計グランプリ 2019 ビルダー賞
JIA 群馬クラブ学生卒業設計コンクール 2023 最優秀賞
JIA 全国学生卒業設計コンクール 2023 6位
第50回 五三会建築設計競技 「 家 」 最優秀賞