襞上の透明なイエ
-現代都市に集まって住まうことについて-- 氏名
- 宮澤 諒
- 所属
- 法政大学大学院
デザイン工学研究科 建築学専攻 - 研究室
- 赤松佳珠子研究室
- 作品概要
-
近代都市がつくり出した問題は複雑に重なって存在する。
特に生活者の側から見ると、近代都市は、都市計画の中で近代化のパッケージに全体性は回収され、生活者と都市との関係性は一旦切り離され、生活の場と働く場の往復運動という抑圧を生み出している。
このような近代都市がつくりだした問題に対して、都市や建築は人々と関係を結び直し、都市の中に集まって住まうことの意味を再定義する必要性を感じる。
本提案ではここで、近代都市計画とは全く別の論理で形成された江戸の都市組織に着目する。江戸では「襞」のような地形によって複数の核が分散する形で市街地の発展が見られた。
現代において「複数の核による広域的な連なり」この隠れた都市の論理を持って、現代都市への移行の足がかりとすることを考える。
本提案はケーススタディとして、リサーチから発見した襞上の街区に、70人程度の人々が住まう小さな建築の群れとしての住環境を提案する。
都市と地続きな経験としての住まい、活動へのインターフェイスとしての建築、そんな環境としての建築の群れを私は「襞上の透明なイエ」と名付ける。
展望として本提案を始まりに、さらに街区を超えて連続する襞上に、近代都市への文字通り逃走線として「都市に集まって住まう環境」が連なることを想像する。
Profile

略歴
2000年 神奈川県横浜市生まれ
2023年 法政大学 デザイン工学部 建築学科 卒業
2025年 法政大学大学院 デザイン工学研究科 建築学専攻 赤松佳珠子研究室 修了