街路性が開く建築の構え
Ambulatory architecture- 氏名
- 舟窪麻友美
- 所属
- 東京工芸大学大学院
工学研究科 工学専攻 建築デザイン分野 - 研究室
- 建築設計計画 II(田村裕希)研究室
- 作品概要
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ルイス・カーンのファーストユニタリアン教会のドローイングに示されたambulatoryという寛容な場の在り方に着想を得て、建築を魅力的にする通路空間の効果について再考する。街路は具体的な機能を持たない。そんな街路的通路空間の上にある機能は、時にその場へと入る精神的敷居を下げる。今回、「個人の自由な行動を許容しながら、共にそこに居られる空間」といった街路性が生む許容力を設計する。
敷地は現在都市開発が進んでいる品川であり、数年後は環状4号線が都市に対し高架で伸びていく。この高架と開発事業により分断されてしまう高輪の歴史的地区と駅を繋げる遊歩道を設け、それに繋がる街路性を組み込んだホテル・インターナショナルスクール・野外劇場・ギャラリータワーという4つの建築を設計する。ホテルではオフィスやレストランなどといった機能をロビーに溢れ出させ、野外劇場では高架下の反響音を活かし、都市の環境音が空間に臨場感を与える。インターナショナルスクールでは一般客の通路を建築内に通り抜けとしてつくり、ギャラリータワーでは道そのものを巻き上げたようなでデザインとなっている。また非常時ではそれぞれ被災者収容、情報広場、防災センター、物資保管となることから、道という空間が持つ、ある種のルーズさともいえる場の包容力からなる可能性より、都市建築をより華やかにするだけでなく非常時への展開力としても利用の強度を高める設計思想となる。
Profile

略歴
2000年 神奈川県横浜市生まれ
2023年 東京工芸大学 工学部工学科建築コース 卒業
2025年 東京工芸大学大学院 工学部工学専攻デザイン分野 卒業