味わう建築

-味覚形成過程に倣う建築嗜好性の学習について-
氏名
長瀬ルナ
所属
日本女子大学大学院
家政学研究科 住居学専攻
研究室
宮晶子研究室
作品概要

私たちは、芸術作品に心を動かされた時「味わい深い」と表現することがある。物事をよく食体験に例えているが、これは食の体験が人間の感覚にとっての始原であるからである。食の体験は美味しいやまずいといった情動性の評価に優れているため、人々が日常的に語るコンテンツである。味覚は様々な感覚や記憶を統合することで味わいを経ており、とくに記憶は、その時の感情によって好みの形成に大きな影響を与えている。本研究では、食の体験の構造から人間の情動的な変化を読み解き、味覚の嗜好性の獲得に関連する相反過程理論に基づいて建築空間を分析した。空間体験を5種の感覚刺激に分け、それぞれの時間経過による刺激のリズムをグラフに表し、分類化による考察を行なった。空間にはそれぞれ良さがあり、味わいがあるが、分類ごとに味わい方が違うと考える。本研究で述べてきた分析方法を設計に応用し、新たな味わい方を提案することを目標に、既存の学校建築のリノベーションの計画を提案する。

作品イメージ

Profile

略歴

2023年 東海大学 工学部 建築学科 卒業

2025年 日本女子大学 家政学研究科 住居学専攻 修了