事物の衝突による体験の切断を有した建築の提案
- 氏名
- 小川隆成
- 所属
- 東京理科大学大学院
工学研究科 建築学専攻 - 研究室
- 坂牛研究室
- 作品概要
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日常の風景は、建物や看板など複数の要素が複雑に折り重なってできている。そのため、日々の体験で、ある事物Aが異なる事物Bに切り替わるときがある。このとき、事物Bに意識的になることで、無意識的だった事物Aに対しても意識的になる。それとともに、未来の事物Cを予感する。このような事物の衝突の場では、体験の切断が生じることで、過去の体験が想起され、それによって複雑な心象風景が把握される。そして、コンテクストを解釈することによって未来への接続が生じている。
人々は日々の暮らしの中でぞれぞれの価値体系を身に着け、物事の捉え方に関して一つの枠組みを習得している。その枠組みにより、世界を無意識のうちに制度化された見方で捉えている。これにより、制度化された見方に従う人々は、物事に別の見方があるということに対し盲目的であり、受動的である。
分析では、事物の衝突の場を通して、人々の体験を切断する事物の関係を日常の風景から収集し、種類と要素について分析を行い、これらの結果を用いたケーススタディにより、どのような状態で衝突が生まれるのかの検証を行った。
以上の結果を用いて、人々の体験を切断することで創造的行為の経験をするとともに、人々に日常の風景を見る新たな視点と解像度を付与する建築を提案する。本提案が、人々が創造性を持つきっかけとなることを期待する。
Profile

25 歳、男性