呼吸孔

-風ムラから場を選ぶ換気塔建築-
氏名
吉田周和
所属
東京理科大学大学院
工学研究科 建築学専攻
研究室
郷田研究室
作品概要

この建築は、風のムラ、「風ムラ」を活用し、パッシブな空調によって多様な居場所を創出することを目的としている。地下鉄の換気塔としての機能を持たせることで、夏冬問わず利用できる風ムラ環境を建築内で提供し、都市の「呼吸孔」としての役割を果たす。地下鉄内の滞留空気を活用し、建築内部に風を誘導・分散・転換することで、異なる風環境を持つ空間を形成する。
設計では、建物への風の入口を二つ設け、低層部を強風エリア、中層部を無風エリア、上層部を弱風エリアとゾーニング。中心の換気塔と縦動線を重ね、気流と共に空間を移動する体験を生み出す。さらに、スラブに起伏を持たせることで、風の流れを誘導しながら、都市に開かれた広場のような空間を積層する構造としている。
各階には風の特性を活かした空間が配置され、1階はそよ風が流れるカフェ、2階は強い風を感じる洞窟のような空間、3階は作業に適した微風の空間となっている。4~5階は無風空間を確保し、6階は吹き抜けを通じて換気塔へと風が流れる。7階の図書コーナーは吹き抜けの中心性に合わせた設計となっている。
この建築は都市に点在することで、地下鉄沿線上に風環境を活かした「たまり場」を形成し、都市の新たなパッシブな居場所の可能性を示している。

作品イメージ

Profile

略歴

2000年 石川県小松市生まれ

2023年 東京理科大学 工学部 建築学科 卒業

2025年 東京理科大学大学院 工学研究科 建築学専攻 郷田研究室修了