不完全な家
-建築家の自邸から考える、○○がないことを享受する住まい-- 氏名
- 太古尚稀
- 所属
- 東京電機大学大学院
未来科学研究科 建築学専攻 - 研究室
- 日野研究室
- 作品概要
-
現代ではSDGsなどの目標や厳格化する法令制限などにより設計を行う上で建築を規定する外的要因は複雑化し、機能や空間、形態のデザインなどに与える影響は大きくなっている。しかし、このような時代背景に逆行し、建築家の思考がそれらの外的要因に覆われることなく、力強く表現されている建築は今後の建築設計を考える上で重要度が増していると考え、建築家の自邸に着目する。使用者=自身=設計者という特殊な関係性が成立する建築家の自邸では、多くの要素の決定権が自分自身にあり、設計に影響を与える外的要因の多くが排除されるため、建築家の思考が最大限表現される舞台であるのではないか。本研究では、建築家の自邸について調査及び分析を行い、そこから得た知見をもとに建築の設計提案を行う。建築家の自邸では、通常の住宅に必ず存在する要素が欠落し、快適性や機能性を犠牲に豊かさを獲得している不完全な住宅が許容されていた。特殊な関係性によって生まれた、住宅としての形式や計画に捉われない極端な提案、「〇〇のない家」を抽出した上で、建築を構成する8つの部位に絞り、ないことが生み出す豊かさの可能性を見出し、住宅の設計提案に応用させ、既存の手法にとらわれない新たな視点での設計手法を提案する。
Profile

略歴
2001年 千葉県船橋市生まれ
2023年 東京電機大学未来科学研究科建築学科 卒業
2025年 東京電機大学大学院未来科学研究科建築学専攻 修了