小山町の 2000m の建具

建具でまちをデザインする。
氏名
富張颯斗
所属
東海大学大学院
工学研究科 建築土木工学専攻
研究室
野口直人研究室
作品概要

小さなものが集積することによって、スケールを超えた大きなものが構成される現象がある。そんなスケールの横断の壮大さに魅力を感じる。ここで修士設計では細部の納まりからまちの全体をデザインすることで、建築単体で完結することなくまち全体へと効果を波及していくことを目的とする。
静岡県小山町では道に沿うような約2kmの商店街がある。平成初期ごろまでは都心から御殿場方面へ抜ける主要道路であったが、谷地の限られた平地に位置していることもあり商店街の歩道は幅員1.4mほどしかない。しかし歩道と建物の間には小さな余白があり、商店街全体で見てみると存外大きな面積を有している。毎年行われているイベントでは、その小さな店前や空き地を一時的な商いの場として貸し出し、2kmの商店街を巡ることで地域コミュニティの交流において有意義な場となっていた。そこで建築ではなく、建具のような小さな操作を2kmの商店街全域に行うことで小山町特有のまちのリノベーションを図る。各店舗に対応しながら一階壁面が可動するような開き戸を設置していくと、建物の輪郭が変わり、領域の拡張や店の顔であるファサードを様々な角度へ正対させる事ができる。また一階を分割し賃貸することで、低資金からも商いを始める事ができ、借り方や建具の開き方で店構えを自由にカスタマイズする事ができる。
これらの建具が2000m連続する事によって、の商店街全てを更新せずとも、まち全体の表情を大きく変えていく。

作品イメージ

Profile

略歴

2000-神奈川県藤沢市生まれ

2019-東海大学附属相模高等学校 卒業

2023-東海大学工学部建築学科 卒業

2025-東海大学大学院 修了