伝統構法を用いた長寿命化建築の提案

氏名
桑原祐太
所属
千葉工業大学大学院
創造工学研究科 建築学専攻
研究室
多田脩二研究室
作品概要

 本提案は、近年社会的ニーズや高度な技術を有した職人による施工の為、着工数が年々減少している伝統構法に着目し、現代のプレカット等の加工技術と伝統構法による架構形式を組み合わせて、従来に無い木造架構システムを模索した提案である。伝統構法である貫架構は、一般的には、柱に穴をあけ、梁を差し込んだ後に楔で固定を行う。また、継手がある場合、柱の内部で行うのが一般的である。そのため、耐力の低下や施工が困難で工期の長期化と高いコストを要してしまう。今回提案する架構は、重ね材・束ね材と貫を組み合わせることにより、高耐力化と施工の簡略化を図ると同時に、準耐火性能を有した架構としている。また、同じモーメント抵抗型システムである単純な柱梁ラーメンフレームとの比較を行い、本提案の貫架構の有用性を示している。また、本架構の有効利用として、戦後量的整備された耐用年数や耐震性能に問題のあるRC造の学校建築を木造建築に改修し、環境性能への配慮、耐震性能の向上を図る計画を行う。既存の校舎のリサーチを行い、タイプごとのプロトタイプとなる計画を行うことで、今後更新時期を迎える学校建築における木造化の先駆けとなること提案である。

作品イメージ

Profile

略歴

2000年 千葉県千葉市生まれ

2023年 千葉工業大学創造工部建築学科 卒業

2025年 千葉工業大学大学院創造工学研究科建築学専攻 修了