Modular System in Wooden Architecture in Between Trees

-樹間に棲みつくための木造モジュールシステムの提案-
氏名
小林芽衣菜
所属
多摩美術大学大学院
美術研究科 デザイン専攻 建築・環境デザイン研究領域
研究室
松澤穣研究室
作品概要

フィンランドの森に入った日、低い位置を通る太陽が平な森の中で横から木々を照らして森全体が光っているように見えた。長野の森を歩いた日、傾斜によって奥は暗く樹冠が上から照らされて、木漏れ日が幹に降ってきた。どこの森にも見上げるとある樹間の隙間の空と伸びていく枝葉、光、土壌、生物に囲まれた森の中のこの建築が、人間と地球との接点をつくる。
林内、細く空に伸びる樹木と樹木の間を人が住むための余白だと捉え、人間が森の中に居場所をつくるための木造モジュールシステムの提案。ミニマルに高く伸びる螺旋階段は、私たちにとってシェルターとして居場所となり、森に近づくための皮膚のような道具になる。人間が住み、手を入れることで、この建築は健康な森の一部となっていく。基礎や外壁は、その森の土壌、流通する木材によって変化。たとえば、私たちが気候に合わせて身につけるものを変えるように、この建築も骨格はそのままに、覆う外皮は土地に影響される。

森の階層構造により風景を享受する。植物のように空に伸びていく階段を一番上まで登ると、周りの木々よりも高いところに辿り着き、樹木の頭が雲海のように足元に広がる。冬、落葉樹林の森では、裸の木々の隙間から夏は見えなかった山の稜線が見えてくる。
各地の土壌や森林環境に適応可能なこのモジュールが広がっていき、ヒトが森林の中で共生するための一つの手立てとして一般化していくことを目指す。

作品イメージ

Profile

略歴

広島県生まれ

共立女子大学堀啓二研究室卒業/Aalto University Wood Program/多摩美術大学松澤穣研究室修了