子どもの巣

〜小児病院に癒しの遊び場を〜
氏名
岡田塔子
所属
女子美術大学大学院
美術研究科 デザイン専攻 環境デザイン研究領域
研究室
吉田貴子研究室
作品概要

 昨今、患者に緊張感を与えてしまう白く無機質な病院空間が見直され、ヒーリングアートを取り入れる病院が増えてきました。しかし現状では、絵を飾る程度で壁や床には手を加えていないものがほとんどです。それで本当に癒される空間と言えるのでしょうか。
 私は、「見る・触れる・香る・聴く」ことを通して人の感覚に働きかけるマテリアルを見直すことが必要だと考えました。病院空間においては滑動性や清潔感などの理由から「ツルツル」のものが使われます。しかし、子どもはたくさんのものに触れることで感性を育むことから、小児病院には様々なマテリアルに触れることのできる場が必要であると考え、 『子どもの巣』と名づけた場を提案します。
 病状や身体機能により、同じマテリアルであっても感じ方が異なるため、子どもの病状や身体機能の段階により『子どもの巣』を海中の巣・地中の巣・地上の巣の 3 つに分けることを考えました。そして「身体機能×素材の特性×表面加工」の視点から空間表現を考え、それぞれに適したマテリアルを分類し、巣を進んでいくにつれて様々なマテリアルに触れることのできる空間としました。
 『子どもの巣』は病室と治療室をつなぐ場であり、入院中病気のことを忘れて遊びに夢中になれる日常の場になるように考えました。 そして、「巣」という言葉には子どもにとって安心できる場所、いつかはそこを巣立ち離れていくという想いを込めました。

作品イメージ

Profile

略歴

2019年 3月 女子美術大学付属高等学校 卒業

2023年 3月 女子美術大学 芸術学部 デザイン・工芸学科 環境デザイン専攻 卒業

2023年 4月 女子美術大学大学院 博士前期課程 美術研究科 デザイン専攻 環境デザイン研究領域 入学