伝統的集落から導く傾斜地における集住形態の提案

-利島村を対象として-
氏名
小西悠太
所属
関東学院大学大学院
工学研究科 建築学専攻
研究室
粕谷研究室
作品概要

 私は、無秩序に行われる傾斜地開発に対して警鐘を鳴らす。本提案では、傾斜地集落を調査し、手書きのスケッチ作業を通じて、現代の傾斜地開発に適した集住形態を導き出すための「11のルール」を作成した。戦後から現代までに行われた傾斜地開発にて逸脱したスケールの擁壁・造成によって大量の住宅街や高層マンションの形成によって、地域性を感じにくいといった課題がある。日本の地形特性を踏まえ、山地を生活の場として活用する可能性を見出した黒谷の「山林都市」理論を参照し、傾斜地における擁壁の多機能化と緑地を活かした空間形成の視点が重要であることに気づいたところから設計を始めている。設計では、作成した「11のルール」と「山林都市」の視点を用い、利島村集落の中心地に計画を展開した。敷地内にある建築を建て替え、既存の住戸数とプログラムを確保し、集合住宅と民宿施設を島内・島外と多世代同士の交流を促進するために広場と集会所・商店・展望台を複合した建築を提案している。本提案の核心は、既存の建築跡や植栽を地形の一部として捉え、建築と地形を等価に扱うことで、自然と調和した住環境を創出する点にある。それにより、利島村の環境を取り込み、一つの建築のようにも見える新たな集落を目指した。

作品イメージ

Profile

略歴

2001年2月1日生まれ 青森県出身

2019年3月関東学院大学大学建築環境学部・建築環境学科 卒業

2025年3月関東学院大学大学院工学研究科 建築学専攻修了