習俗の住処

氏名
三井田昂太
所属
神奈川大学大学院
工学研究科 建築学専攻
研究室
立花美緒研究室
作品概要

 日本では数多くのしきたりや風習が伝承されており、これらは習俗という言葉で総称さえることがあります。特に日々の生活を送る住宅建築においては、棟束に御札を貼り家内安産を祈願するものや、難産の際に茅葺き屋根の一部を取り外すものなど、建築部位の形状や位置に対し自身や死後の世界を投影する等の解釈とそれに伴う動作がなされていました。このような習俗は長い歴史の中で培ってきた知識と豊かな生活観の現れでした。しかし生活水準などのソフト面と建築技術などハード面、両方の変化において現代では限られた習俗のみが見られ、その内容も形骸化され本来の意味を知ることは少なくなっています。
 本研究は住宅建築における習俗と建築部位の関係の一端を明らかにし、更にそれを建物の全体構成と部位の検討において使用、又は応用することで異なる2つの地域において建築設計を行います。この過程を通じて、現代において習俗を問い直し再考する意義を模索するとともに、当時の日本人が住宅建築とそれを構成する建築部位を使用して習俗を行っていた所以を探るものです。

作品イメージ

Profile

略歴

2000年 新潟県柏崎市生まれ

2023年 神奈川大学 工学部 建築学科 卒業

2025年 神奈川大学大学院 工学研究科 建築学専攻 立花研究室 修了