まちとつながる「余白」のある住宅

-横浜市羽沢常盤台地区を対象として-
氏名
濱 大智
所属
神奈川大学大学院
工学研究科 建築学専攻
研究室
山家研究室
作品概要

 戦後の住宅政策では住宅を効率よく増やすことを目的に一般的な核家族をもとにプライバシー性の高い住宅がつくられてきた。しかし、住まい方が多様化する現代において、核家族を居住の単位としプライバシー重視で計画された従来の住宅は周囲と関わるスペースを持たないため、高齢者や一人親世帯、障害者といった社会的弱者にとって住宅は関わる場所ともなりにくく、社会的孤立を強めている。多様な人たちが同じまちに住む現代だからこそ、人々がお互いに関われるような場所が滲み出す住宅地が必要であり、郊外住宅地における更新法が求められる。一方で台湾やベトナムをはじめとするアジアの国々では団地の廊下の一角や建物の間の細い路地が住民同士の関わる居場所となり、人々の関わりやその跡がまちの風景となっている。本研究ではそのような空きを「余白」と呼び、「余白」を居場所とするための仮説を立て、まちとつながる「余白」を用いた住宅地の更新法を提案した。横浜市羽沢常盤台地区を対象に、余白の特徴とそこで生まれる出来事について調査を行った。調査結果に基づいて、3つのエリアを対象に余白を2種類の改修方法と4つの過程による全体計画によって、余白の居場所化が連鎖し、小さく居場所をつくりながら既存のまち並みを残していくまちの更新法を提示した。

作品イメージ

Profile

略歴

2000年 山梨県生まれ

2023年 神奈川大学 工学部 建築学科 卒業

2025年 神奈川大学大学院 工学研究科 建築学専攻 山家研究室修了